第8話

 支配者を戻したけん玉の在処を示した地図をメッキ加工してしまいには錆び付いたほとぼりをマス目に沿って縫い付ける。


 シクラメンのほくろはまずまずの規模を保ちながら倦怠感を訴えて始まりの便座にもしかすると初日の出を見に行ったのかもしれないが、ラベルを剥がして猛禽類がプリントアウトした賞金首がメダルを絞り上げて粘土板をひっくり返したのだろうか。


 至近距離で目立ちたがりやだった春の雨よりも高みにある航空母艦、嵐の生首の中を颯爽と歩く河川敷に比べればこんなものは屁でもない。


 大陸を滅ぼした紙やすり程度の文字遊びをハンガーラックにしまい込んだアマニ油でも、決して感ずることのない欠乏感と劣等感と憧れとしびれ薬。


 ゴリラをせっついた戦闘らしき人影を夢に見るのなら、大学試験に落ちたサーベルくらいには偉大な人と言えるだろうか? 


 されど鷹の目、芝の口、宵の明星は桜色に照りつけるが、ブラックジョーク風情に屈しないクエスチョンをほっぽり投げて、再度挑戦するのはカラスの鳴き声と断末魔と雀の唇からほころびる深紅の瘴気。


 死んでいたのはサボテンをランチにしたネズミであって、病理自体は完全無敵の更地状態で、接近戦を得意としない秋田犬は乳をゆらしながら鬼退治に出かけ自殺する。


 おんどりと募集したマンション大会に欠席したけれども、柵を跳び越えたのはハブられた旅行会社であったというから宣伝文句より東にあるものは列車強盗であるとは言いがたいが、寒気がするとホワイトボードに書き上げた練り消し程度の効果はあるという。


 雑巾をダイヤモンドに変えたならあとは失敗を企てる生クリームのようにキャラメル色に染まるべきだと思うのは愚かな考えだ。




 目覚めたら頭が痛くなってるなぁ。


 頭痛に効く薬でも買ってきて貰えるかい?


 なぁんて、君達に聞いても答えられないよね。


 ……いたた、


 私の中に眠っているいくつかの人格。


 そのうちの一つが、また起きようとしているみたいだ。


 おねんねしてて欲しいのに、まったく困ったものだ。


 けれどこればかりは、体の性質だから仕方ないね。


 もう少し、私は君達と一緒にいられそうだよ。

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