リンドウの花

今宵ノ帳

第1話 私の秘密

-プロローグ-

 今の世の中は多様性の時代だと、よくテレビで見たり聞いたりする。

多様性ってなんだろう。言葉は知ってるけど、説明しろと言われると上手く説明できる気はしない。所詮ぼーっと生きてる私たちなんてそんなもんなんだ。



6月

 夏の訪れを感じ始める日差しがどうにも痛い。とは言っても、ほぼ一年中制服の袖を捲り上げて七分袖にしている私たちには、季節に合わせた格好なんてものは存在しない。

私は正直半袖のシャツに衣替えしたいのだが、どうにも周りの人と違う格好をするのは気が引ける。

人と違うことを嫌うのは集団に所属してるからにはしょうがない。

そんなことを考えている間に教室に着く。


ガラガラッ


「おはよー」

「あ、おはー」

「・・・・・・・」


夏の暑さは本能を狂わせる。


今日も女王様が玉座にふんぞり返って座っていた。

彼女は今日も私の愛するあの子を虐げる。

追い詰められる、ハツカネズミのように。

それは全て、私の計画通りだということも知らずに。


狂おしいほど、君が好き。

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リンドウの花 今宵ノ帳 @koyoinotobari

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