原田くんの初オフ会

土曜日、朝からツイッターでメール。



迎えに行くんで駅で待っていてくださいとのこと。


そして僕を祝福するかのような梅雨の爽やかな晴れ間。


僕はバスに乗り駅に向かった。


 駅に降り立って早速着きましたとメール送信。


すると直ぐに車のクラクション。



見上げると大きな白の外車が僕の前に止まる。


僕は車に詳しくないがこれは外車のアウデイってやつなんじゃないのか。


すごく高価な車なんじゃないのか。


つらつら考えていると中から二人の男が降りてきた。


細身で高級そうな白のシャツ。真っ黒な髪のツーブロック。


もう一人は大きい、身長は190センチくらい有りそうだ。しかもスキンヘッドで口髭。



「はらだチャンネルの原田さんですか?」


とツーブロックのひと。


話し方は丁寧だがなんだか怖い。ニュースに出てくる半グレの人みたい。僕が想像していたひととは全然違う二人だった。



返事もなにも怖くて黙っている僕を二人は車の前に引っ張るようにして連れて行き押し込まれるように乗車させられる。


僕は助手席。初めて乗る高級車。


シートはレザーでやけにスベスベ。


僕が乗ると二人も車に乗り早速出発した。


 居心地の悪さと恐怖で喋ることが出来ずに居る僕にツーブロックの方の人が気を遣ってくれているのか色々と話しかけてくれる。



見た目は怖いが本当は優しい人なのかもしれない。



スキンヘッドの方は無言だ。


 しばらく車に乗っていると景色はどんどん変わり、さっきからはずっと山の中だ。


四方全部繁った森。


既に市内は過ぎていると思われる。



途中ぽつんとあったコカコーラの自動販売機の前でいきなり停車する。



「喉渇きませんか?」



ツーブロックのひとに何故か目を覗き込まれながらそう尋ねられる。


「いや、乾いてません」



そう答えたのに、ここから先は店も何もない。


飲み物を買いましょう買いましょうと執拗に勧められる。



しかたなく自販機に向かう。


コカ・コーラの自動販売機の前。

何を買おうか。

コーラかコーヒー。


そう思ったとき首に太い何かが巻き付いてきた。



あっと思ったがそこでブラックアウトした。


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