勉強会①:種族編
第一話:人族
「さて。何から知りたいのかしら?」
「はい。あの……お二人って、勿論種族は人間じゃないですよね?」
「ええ。私は天翔族だし、アンナは森霊族ね」
「孤児院にも獣人族のガラさん家族もいましたけど、皆さんがどんな特徴や才能があるんですか?」
「そうね。じゃあまずは種族について説明しようかしら」
「はい! お願いします!」
「じゃあまずは
「人族、ですか?」
「はい。とはいえ素直に人間と呼ぶ事が多いので、余程でなければ聞かない呼び名かと思います」
「確かに、この世界に来て一度も聞いた事ないかも……」
「でしょう? 因みに、人という言葉を含んでいるからといって、人族を指すかというとそうでもないのよ」
「え? どういう事ですか?」
「例えば人類って言葉があるけれど、これはこの世界の主となる種族をまとめて指す事が多いわね。人なんて言い方もそうかしら」
「はい。逆に人間という呼び方は、人族以外を指す事はございませんね」
「へー。ちょっと使い分けが大変そうですね」
「まあ、この辺はニュアンスで感じ取るしかないわね」
───
「そういえば、この街って獣人族の皆さんが多いですけど、この世界もやっぱり獣人族が一番多いんですか?」
「いえ。一番多いのは人族にございます」
「最近は他の種族も気にせず何処でも暮らすようになったけれど、元々多くの種族はそれぞれが棲みやすい土地で暮らしていたの。でも人族だけは場所を選ばず暮らしていたからこそ、最も繁栄し種が増えたと言われているわ」
「へー」
「しかもそれだけ多くの環境に適応できるだけあって、ほぼすべての職業に適正があると言っても過言ではないわ。勿論、個人差や生まれ育った環境の影響も大きいから、能力や才能は様々だし、特徴も一概にこれとは言い切れないのだけど」
「つまり、平均的な才能を持っているって感じなんですか?」
「そうですね。それだけ汎用性に優れた種族であり、可能性を秘めた種族とも言えるでしょうか」
「因みに、やっぱり私や和人お兄ちゃんも、人族って事になるんですか?」
「どうでしょうか? 異世界から参られておりますので断言はできませんが、姿形からするとそうなるかと思います」
「確かに見た目はロミナさん寄りですもんね。ちなみにやっぱり地域によって人族も色々違うんですか?」
「そうね。地域の気候によって、生活や考え方も変わるし、ある意味一番多くの個性を持つ種族とも言えるわね」
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