異世界フェルナード勉強会

しょぼん(´・ω・`)

プロローグ

第一話:知らない事

「アンナさん。フィリーネさん」


 美咲の旅支度も終わり、一度宿に戻ってきた美咲、フィリーネ、アンナの三人。

 テーブルの席に各々が腰を下ろし、アンナの淹れてくれた紅茶を口にし、ほっと一息吐いていると、突然美咲が二人に向け声を掛けてきた。


「どうしたの? 美咲」

「はい。あの、巻物スクロールの特訓の前に、ちょっとお願いがあるんですけどいいですか?」

「お願いにございますか?」

「はい。あの……私、この世界に来て一ヶ月強経ったんですけど、実はあまりこの世界について分かってなくって。それで、よかったらお二人に色々教えてもらえたらなって……」


 気を遣ったのか。おずおずとそんな申し出をしてきた彼女を見て、フィリーネとアンナは互いの顔を見る。


「確かに、冒険者ギルドで冒険者として登録でもしないと、教わらない事も多いわね」

「そうですね。フィリーネ。皆様が戻られるのもまだ先ですし、私達わたくしたちでよければ、お力添え致しませんか?」

「そうね。良いわよ」

「本当ですか? やった!」


 ぱっと嬉しそうな顔をした美咲の表情に、釣られてアンナとフィリーネも微笑みを見せる。


 こうして、二人による美咲への勉強会が始まったのだった。

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