あなたに会えてよかった

これは「ありがとう」と伝えたい少女のお話



あぁまた今日も心の中に雨が降る。こうなると全然ダメでやる気なんか出なくて。「誰か助けて……」なんて。

皆から愛されるあの子みたいになりたいけれど私はなれないから。みんなに愛されるあの子が羨ましい。まぁそんなバカみたいな事言って無いで早く支度しないと。泣いてた跡なんて見られたくないから。


口癖になった「まぁいっか」そんな事を言いながら過ごしてきた。ふと昨日も思い出す。【もう君には全然期待なんかしてないから】……いやまぁ私も自分自身に期待なんかしてないけどさ……「あれって一体どういった意味なんですか……?私はもうイラナイの?」


喉元まで出てきた言葉。本当は反論したかったけれど出てきたのは嘘。そうやってくだらない時間を今日も過ごして私の貴重な人生を過ごしている



『なぜ隠してしまうの?』

『笑われるのが怖い?』

『誰にも会いたくないの?それは本当?』

そんな言葉が心の中の自分が問いかけてくる。

今まで曖昧にして生きてきたからそれがもういっぱいいっぱいで。もう息もできないくらい苦しくなって助けを求めてしまう「私って本当に弱いな」



やる気がないから一向に支度が進まなくて。朦朧とした頭で思う。「もうなんか適当に理由をつけて休んでしまおうかな」……そんなことを思うけど後々怒られるのが怖いからやっぱりやめておこう。

幸せだろうが不幸だろうが平等に時間が過ぎて行く。もう生きていくだけで精一杯の私はこれ以上何をすればいいの?


『何故気にするの?』

『本当は愛されたい癖に。』

『でもその手を離したのは誰?あなた自身だよ。』ってまた心の中の私が私に問いかける。

もし人生にタイムカードがあるなら私のそれはいつ終わるんだろう?私が生きた利点は誰が証明してくれるんですか?


でも1回だけ。本当に1回だけでいいから。私も本当は心の底から【ありがとう】って言える人が欲しかったんだ。1回だけでいいから心の底から【ありがとう】って言わせて欲しいんだ。



『なぜ隠してしまうの?』

『本当は聞いて欲しいの?』

『絶対に笑ったりしないから話してみない?』って笑顔であなたは言う。思ってるだけじゃ思いなんて伝わらなくて。ちゃんと口に出さなきゃ伝わらないから。あぁ……「人間って面倒臭い生き物だね。」そういうとあなたはまた笑みを浮かべたんだ。



でもこれだけは本当。本当の私の気持ち。「あなたに会えてよかった」

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