他者への憧れ、そして嘘の世界

これは世界に絶望し希望を見つけた少女のお話



あぁ……もうイヤだ。お父さんの怒鳴り声。お母さんの泣き叫ぶ声。全部全部もうイヤだ

心が悲鳴をあげて目からは自然と涙が零れる。まるでこの小さな世界に私だけしか居ないみたいで……毎日毎日憂鬱な気持ちで目が覚める。

「あぁ……他の人はいいなぁ……」私は小さく呟いた。他の人を羨んでいる私は劣等感の塊で押し潰されそうで。目の前に広がる人並みを妬んで僻んで。また心が悲鳴をあげて涙に変えていく。泣いてばかりじゃ何も変えられない事を知っているから。なんだかもうただ惨めなだけ。

私にはなんにもないのに欲しがってしまうから

いっその事もう「こんな心も……この目も誰か奪ってくれないかな……」



人は誰でも嘘をつく。それは『キミ』だってそう。こんな嘘が蔓延る世界でもキミの言葉だけは信じてみたかった。だけどそんなキミも嘘を吐く。悪意のない嘘じゃなくて優しい嘘でも私には全部「ウソ」なんだ。「信じたかったのに。どうしてウソをついたの」そんな事も言えずにまた同じところに同じだけ傷が1つ増えただけ。ただそれだけ。



何度も何度も周りの身勝手な言葉に振り回されて。まぁ傷つく私も自分勝手なんだけどね。

私には何にもないから笑顔で「気にしないよ」だなんて私自身にも嘘をついて。反論も何も出来ないからまた劣等感は積もっていくばっかりで。何よりも誰よりも気にしちゃってるんだよって分かってるけれど。私はこう呟くの。「バカみたい」って。



周りは言う。『諦めたらそこで終わり』だなんて。そんな優しい言葉に惑わされてもう何度突き落とされてきたのかな……?


「誰も知らない……何も知らないくせに!私が……私が何に悩んでいるのか何も知らないくせに!」


痛みの数だけ強くなれる……?なら私は……【あと何回泣けばいいの……?】


泣いても泣いても何も変えられないし涙は傷に沁みるだけで。滲んで痛んでもうこの涙は止まらない。何度も何度も【生きてる】意味なんて探してもこの涙の理由すらもうよく分かんなくなってしまって。私にはなんにもないけどきっと泣き止む度に明日が来ていつもの日常が来るから。いつか「生きててよかった」だなんてそんな事が言える日を心の底から願ってしまうんだよ

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