これはとある国の王妃による復讐劇_______

この部屋に閉じ込められてもう何年経つだろう。この部屋に閉じ込めておくことで言う事を聞かせる術を知らないあの馬鹿な王様。

『俺の妃になれ』だなんて偉そうに言っていたのは私の家の権力が欲しかっただけ。この結婚なんて所詮は政略結婚なのだから。貴方の妃になるですって？そんなの勘弁して欲しいわ。ただの地獄じゃない！

どいつもこいつも口ばっかり！人の幸せを願うフリをしながらみんなみんな自分の事しか考えてない！この暗い部屋でずっと考えてた。早くこの計画を試したくて試したくて試したくて！あぁ！堪らないわ！これが私の……私の最初で最後の復讐劇！

時々。本当に気まぐれに私の事を『愛してる』とか『願いを叶えてやる』とか言うけれど。私の願いは一つだけ。王座を取り戻すことよ。

元々その玉座は私の……私だけのもの。行方不明になっている私の代わりに貴方が座っていられるだけ。私はもう貴方に飼われる犬じゃないから私が貴方に警告音を響かせる！

愛のない貴方に言いたいことは沢山あるけれど。この計画のためだもの。まだダメ言えないわ。緊張感が身体中に駆け巡るの。

これまで通りあなたの思い通りになんていかせない。貴方は分かっているのかしら。犬が牙を剥き出しにするという事は攻撃の準備が出来たということ。貴方のことだから本性をむき出しにした私のことも『可愛い』だとか『好きだよ』だとか言うんでしょうけど……まぁいいわ。照れたフリでもしておいてあげる。

もうこれ以上いつものようにはさせない。貴方の望み通りになんてさせないわ。それまでその王の座を噛み締めておくといいわ。その玉座に座っていられるのもあと少しなんだから。

私が無邪気ですって？えぇそうね貴方にはそう見えるのかもしれないわ。でも残念ね……貴方、私のことなーんにも知らずに死んでいくの。悔しい思いも恥ずかしい思いもしながら私に裏切られたって事だけ分かって死んでいくの。私あなたのこと大っ嫌いだもの！まぁ…こんな事を考えている私も自分のことが大嫌い。

でもこの国のためにしなくちゃいけない。泣いてるだけじゃ誰も救われないものね……

さてもう1つ。貴方への願いは一つだけ。

この世から消えてもらうこと。もうこの刃は隠したりしないわ。さぁ……もう邪魔だから消えてくれるかしら？

これであなたも終わりね。さようなら王様。王の座に居られた気分はどうだったかしら？

王様のお役目ご苦労様！さぁ……玉座を返してもらうわよ！

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