Dernier match 【最後のゲーム】

これはとある国のとある少年と皇帝のお話



ふと真夜中に目が覚めた。今まで忘れていた虐げられてきた記憶も蘇ってきて。まるでサイレンのように胸の鼓動を速くする。ある人は言った。「うつむいて生きるのか?こんなにも腐敗した憂鬱な世界を」 俺は言う。「ふざけるな!最後の切り札を使ってでも最後の賭けに出てやるっ!」


この世界では争いから逃れられず永遠に血を流す。それぞれの理由やそれぞれの真実を【正義】と呼ぶから。誰を裏切ってでも何かを傷つけてでも【何か】を手に入れるために。自分が信じるもののために絶対に勝ってやる。「これが最後のゲームだ」 神は言った『さぁ力なき少年よ。お前が憧れる存在を超えてゆけ』と。俺は告げた「あぁ……なってやるさ。英雄にな」


白昼に夢を見た。奪われ続けたあの日々の。

あの人の残り香のように俺の心を惑わせて。この檻の中で安寧を貪るか。自由になるために切り札を切ってもう終わりにしてやろうか。



それぞれの理由がそれぞれの【真実】や【正義】と呼んで。人は争いから逃れられずに永久に血を流す。あいつを欺いて何を失っても【その何か】を手に入れたいか?愛する者を守る為にどんな事をしてでも勝たないと明日はない。

神は告げた『さぁ少年よ。仇敵の冠を奪って貴方が皇帝になりなさい』と。その声に俺は力強く頷いた。「あぁ……どんな手を使ってでもあいつの王冠を奪って俺が皇帝になってやる……!」

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