第6話 謎の少女
突入から30分。
鬼灯グランドホテル2階、担当は占い師兼、霊媒師の佐々木美智瑠。
佐々木は悪霊たちと戦いながら移動している。
佐々木の回りには水晶が浮かんでおり佐々木を囲むように浮かんでいる、その数は8つ、この水晶は
佐々木は少し息切れをしており、自身を追ってくる悪霊たちを水晶の力で倒して行く。
「弱いくせに数が多すぎる、このままじゃ水晶の霊力が無くなる、
佐々木は水晶を操り悪霊たちを倒しながら霊力の切れそうな水晶を自身の手元に持ってきて霊力の補充を行っている、そして補充した水晶を放し、また他の水晶の霊力の補充を行っている、これを佐々木は後方装填戦法と呼んでいる。
佐々木はその方法を繰り返し悪霊たちを次々と倒していき、2階の悪霊たちをほとんどを倒していった。
「大体片付いたかな、結構疲れた、でもまだいるんだよね、一体すごい強そうなのが、出てきなさいよ!!」
佐々木がそう言うと、少し離れた場所から大きな足音が聞こえてくる、少しずつ佐々木に近付き姿を現すと、5mはあろう天井に頭がぶつかり首が横に曲がっている、身体中にボロボロの包帯を巻いており、5mを超える身長、だが身長に反して体はやや細身。
「でかすぎでしょ、でもやるしかないよね」
佐々木は一つの水晶を自身の目の前に持ってきて水晶から霊力を放出し包帯の悪霊の顔めがけて攻撃するがまったく効いておらず、包帯の悪霊は佐々木に攻撃をする、佐々木は攻撃をかわし、何度も水晶で攻撃を行うがあまり効いてない様子である。
「あんまり効いてないようね、だったらこれでどう」
佐々木は操っている8つの水晶で同時に一斉砲火を行った、すると包帯の悪霊は片膝をつき、小さくうめき声を上げる。
「さすがに効いたようね、的がでかいから全部命中するね、じゃあ倒れるまで続けさせてもうわ」
佐々木は同じ攻撃を後方装填戦法を行いながら2回、3回と繰り返し、最終的には7回目の攻撃を行った、すると包帯の悪霊はうめき声を上げながら前のめりに倒れ、少しずつ消えていった。
「ふう、終わった、すごい撃たれ強い悪霊だったわね、これでこの階は全部片付いたようね」
佐々木は壁に寄りかかりしゃがむ、後方装填戦法を使いすぎたため、自身の霊力もかなり消耗しており、疲労感が佐々木に襲いかかっている。
「かなり霊力を使ちゃったな、これじゃ、しばらく休憩しないと、地下に行けそうにないわね」
佐々木が休憩していると、どこからか足音が聞こえる、そして段々と近付き、佐々木の目の前に姿を現す、その姿は屋上にいた、赤い瞳をした、少女である。
「誰、あんた、この階にはもう悪霊はいないはず」
佐々木はすぐに立ち上がり戦闘態勢にはいる。
少女は拍手をしながら佐々木に話しかける。
「おめでとう、たった一人でこの階の悪霊を全部倒すなんてすごいね、お姉さん」
少女はそう言うと佐々木を睨みつけると同時に強い殺気を、佐々木にぶつける、その瞬間佐々木は少女から距離を取り、水晶で一斉砲火を行う、だが少女には効いていない。
「ひどいな、せっかく誉めて上げてるのに、そんなに死にたい? 本当はもう少し様子を見るつもりだったけど、我慢できないから殺してあげる」
少女はさらに強い殺気で佐々木を威嚇する。
佐々木は冷や汗をかき寒気に襲われ、その場から逃げ出す。
「やばい、あいつは他の悪霊とは別格、このホテルのボスで間違いない!! 早くここから逃げないと殺される」
無我夢中に逃げる佐々木だが、行き止まりに追い込まれてしまう。
「鬼ごっこは終わり?」
佐々木は水晶で一斉砲火を何度も行う。
「こんな攻撃効かないって、そろそろ霊力も尽きる頃でしょ」
空中に浮いていた水晶の霊力が無くなり次々と床に落ちていく、そして最後の一つを残してすべての水晶が床に落ちてしまう。
佐々木は最後の水晶を自身の手元に置き、話し始める。
「分かっていたのよ、こうなる事は、全員で準備をしていた時、私、20人全員を占ったの、そしたら全員近い内に死ぬっていう結果が出たの」
「じゃあなんでその時みんなを止めなかったの?」
「そんな空気じゃ無かったし、それに良いことを教えて上げる、私は占い師でもあるけど本当は悪霊退治の方が本業なの、占いは全然得意じゃないわけ、さっき全員死ぬって言ったけど、私の占いが当たる確率は50%、つまり二分の一ではずすって訳、私は死ぬ、でも、他の人たちは生き残ってここから出るかもしれない、それに今あんたを占ったけどあんたもこの世から消えて無くなるって結果が出たわ、だから私は信じたい私たちが勝つことを!!」
少女は佐々木に近付き佐々木の心臓を素手で貫き、佐々木は絶命した、床は血で真っ赤に染まり、少女にも返り血がついている、少女は手についた血を舐めながら、死んだ佐々木に笑いながら話しかける。
「当たると良いねその占い、でも最初に占ったほうが当たるけどね、さて次は誰を殺そうかな」
少女は笑みを浮かべながらその場を去る。
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