第4話

ヒトミの家族はみんないい人で、会話ははずみ気がつけば更に1時間が経過していた。



明日の学校は休みだけれど宿題が出ているというユウジくんは早々に自分の部屋に引き上げて、ヒトミや祖母たちもお風呂を終わらせていた。



僕をお酒に誘ったヒトミのお父さんは僕よりも先に酔ってしまい、床に寝っ転がっていびきをかき始めていた。



「お父さんよほど嬉しかったのよ。普段はここまで飲まないもん」



ヒトミは湯上がりのいい香りをまとわせて、父親の体にタオルケットをかけている。



「僕、気に入られたかな?」



「もちろんだよ。うちの女性陣はお酒が苦手だし、弟のユウジは高校生でまだ飲めないし。



お父さんずっと一緒にお酒が飲める人がほしいって言ってたんだから」



「そっか。それならよかった」



ほんのちょっとした相手でもできたことが嬉しかった。



「ケイタ、明日村を案内してあげるね」



「あぁ、そうだな。今日はなんの見学もできなかったし、楽しみにしてる」



っていってもなにもない村だから期待はしないでね。



ヒトミはそう言って笑ったのだった。

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