これは蔑まれた少年の物語。されど孤独ではない物語。追放された人間が行うのは二つ。一つ、人を恨み、世を恨み抜いて復讐すること。もう一つは追放をバネに成りあがりザマァと見返すこと。けれど、この作品はこの二つに当てはまらない。優しい。どこまでも優しい。優しすぎる。スキルで誰かを傷つけようとしない。けれど誰かが傷つこうならば自ら行動を起こし助けようとする。優しすぎるけれども、それは強い心がなければ成しえないこと。だから誰からも好かれ、愛される。葉っぱ一枚の一張羅だろうと。
この小説には過酷な運命に耐える人が出てきます。幼い少年への愛情も、友情もでてきます。心温まる交流もあります。でも、待って欲しい。それを読んでるとき、主人公が常に股間に葉っぱ一枚で、それが外れそうで、ちらちらナニかが見えそうで見えなかったらあなたはお話に集中できるだろうか。いい話を聞かされても、「あ、あの、、、いや、なんでもないです」となるかもしれません。でもそれは違います。いい話はいい話なのです。台無しとかじゃないから。たぶん。
この物語の中心人物であるユレルミは、スキル貧乏神により葉っぱ1枚のスッポンポンで行動せざるを得なかった。 ……はい、どう見ても葉っ〇隊です、本当にありがとうございました。 いつか「YATTA! YATTA!」とか言いそうです(このネタ知っている方はどれだけいるだろうか……) ともかくそんな貧乏神という斬新なスキルにより、これまた斬新に問題を解決していきます。あと周りのキャラが程度あれど変態性を持っているのがご愛嬌(笑)。 そんな異世界コメディ、一見の価値ありです!
貧乏神、死神、疫病神は敵に回してはいけないと言いますが国難を救うべく旅立ったヒロインが出会ったのは貧乏神のスキルを持つ少年。出会ってしまった二人はどんな運命の流れに飛び込んでゆくのか?本当に裸一貫で始まるファンタジーの開幕です。