第2話

君が最期につぶやいた小さな言葉は何だったのだろうと今でも考える。ぽつりと水たまりに落ちる雨のように不意にこぼれた言葉の雫。その中身を聞こうとしたときに、君の姿は消えた。乾いた音を最後にして僕の目の前から永遠に。


曇ったような羽の色をいつも馬鹿にしていたが、いなくなってから初めてそれが雨の日の色に似ていることを知った。比類無く美しいと伝えていれば良かったと今更ながらに思う。




あの日からかつて乾いていたこの土地には雨が降り続いている。

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