第2話 伝説の王様が家出をしたらしい? (1)
「い、いない。いないではないか、アヤツが!」
「えっ! うそ! うそじゃろぅ。エリエ姉?」
「いや、本当に、本当だ。沙羅! あの馬鹿が、また懲りもせずに。この城から逃げたみたいだ! だから探すぞ。沙羅! あの馬鹿者を!」
まあ、何処からか聞こえるのか?
女性の声が、ではないね?
そう、この煌びやかな部屋──。
大変に高価な調度品が多々置かれ、飾られた部屋──。
それも純白の大理石が壁や床に張られ、敷き詰められた、大変に高級感のある部屋ではあるのだが。
まあ、見よう、見方によれば、生活感の無い、大変に冷たく見える部屋から。
この世界にはいないはずの精霊種の女性……。
そう、緑の肌色を持つ、麗しい女性がね、誰かがいない。
まあ、精霊様いわく、馬鹿がいないらしい。
だから沙羅と呼ばれている女性……。
そう、オーク種族の麗しい鎧武者のエリエと言う名の女性が、沙羅と呼ばれる女性……。
今度は緑の肌色を持つ精霊様では無く、褐色色の肌──。
小麦色した妖艶な肌色を持つ麗しいダークエルフの女性沙羅へと、【馬鹿】とエリエ様が呼ぶ人物が城から逃げたらしいから。
彼女は沙羅様へと探索をすると告げる。
「うん、わかった! わかったよ! エリエ姉!」、
「うちも今から、お父ちゃんを探すための、探索部隊を組織して。直ちに城下の街へと。お父ちゃんを探しに行くから。エリエ姉は、先にお父ちゃんの探索をお願い。エリエ姉……」と。
沙羅様はエリエ様の嘆願に対して了承するのだが。
彼女自身が御二人の【馬鹿】を探索するための兵を用意していないので、自分よりも先にエリエ様へと、【馬鹿】の探索をお願いする。
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