第5話 禁断の果実
🌍地球🌍
一人の少年がハンディカムを起動する。
(。・・。)
「・・・ハロー、映ってますか?聞こえてますか?今の時刻は午前5時頃。そしてエイリアン襲来から数えて3ヶ月くらい経過しています」
(。・・。)
「あれからこれまでに起こった出来事を記録として残しておこうかと思い立って僕はこうして喋ってます」
(。・・。)
「誰にも届かない確率の方が高いけれども・・・」
(。・・。)
「最近の僕はと言うと食べ物にも禄にありつけずほとんど寝てません・・・」
(。・・。)
「もうずっと生存者を見てないし、毎日を生きるのが怖いくてたまらない」
(。・・。)
「ゾンビがいつ襲ってくるかわからないし・・・」
(。・・。)
「こうなってしまった一因は僕にあることは痛いほどわかっています。だけど、どうすることもできませんでした」
(。・・。)
「・・・3ヶ月前のあの日、三基のUFOがアメリカはニューヨークへと降り立ちました。その頃のニューヨークは僕の開発したゾンビアーマーを用いて日本と同じくらいに復興を遂げていました」
(。・・。)
「わらわらと群がってくる人たちは空を見上げ固唾をのんで見守っていました。そしてそれが本物のUFOってわかるとみんな歓喜の声をあげていました。そして・・・」
(。・・。)
「突然UFOの下部が光を放ちタイムズスクエア周辺を一瞬にして瓦礫の山と化したんだ。・・・戦争の火蓋はこうして切って落とされたんだ」
⌛3ヶ月前⌛
作戦会議室
広々とした空間に各国の代表団とそれを見守るギャラリーがひしめき合い、異様な熱気を生み出している。ほぼ全員がデブなので冷房をマックスにしても部屋の中は暑い。テーブルの上には会議資料とコーラ、ピザの箱が山になっている。
中国のデブ
「戦争だ!殺された人たちの仇を討つべきだ。おかわり」パクパク
スペインのデブ
「UFOは現在タイムズスクエアを破壊した後、その場に留まり沈黙を保っている。こちらの出方を窺っているのだろうか?」
南アフリカのデブ
「敵はたった3基のUFOだけなのか?他にもっといると考えて行動せねば」ゴクゴク
カナダのデブ
「大部分の軍隊経験者がゾンビになってしまったからどれだけ頭を捻ろうが現実に即した案など浮かぶわけがない。そもそもUFOを攻撃するマニュアルはどの軍隊も作成しておらん」パクパク
アメリカの規格外のデブ
「ピザおかわり。あとダイエットペプシも追加で」
(。・・。)
「・・・なんだかすごい熱気だねお兄ちゃん」
(´・ω・`)
「せやな。世界中のデブ共がピザ食いながら怒りまくってるわ」
(´・ω・`)
「我慢ならんわ」
(。・・。)
「えっ?」
(´・ω・`)
「俺もいっしょになってピザ食べてくるでぇ」スタコラ-
(。・・。)
「・・・・・・」
デブの議長
「なにわともあれ、あのUFO友好の意志を示さず破壊によって明確な侵略を示唆しています。このままむざむざと指を咥えて傍観するなどということが果たして可能でしょうか?」
デブ一同
「NOOOOOOOOOO!!!!!!!!」
デブの議長
「侵略者には報復と怒りの鉄槌をくらわしてやりましょう!」
デブ一同
「YESSSSSSSSSSSSSSS!!!!!!戦争だ!!!!!ヒャッハー」
(´・ω・`)
「・・・誰が兵隊なって戦争なんかすんの?」パクパク
デブ一同
「・・・えっ?」
(´・ω・`)
「いや、だから軍隊なんてとうに全滅しとんのに誰が戦場に行くのって言うとんねん。俺は無理やで。もう体重100キロ超えとうしヘルニア持ちや」
中国のデブ
「俺も体重100キロ超えとうし、糖尿病持ってる」
スペインのデブ
「俺も今更身体動かすなんてできないよ・・・」
南アフリカのデブ
「そもそももう食べると寝ること以外何もしたくない」
カナダのデブ
「ワシもパスで。そもそもやる気しないし」
アメリカの規格外のデブ
「ピザおかわり。あとダイエットペプシも追加で」
(。・・。)
「こ・・これは・・・・」
(。・・。)
「不健康な人間が増えているなーくらいしか思ってなかったけど、事態はもっと深刻だったんだ」
(。・・。)
「食っちゃ寝食っちゃ寝、自堕落な生活を繰り返した結果、人類の肉体は恐ろしく不健康に・・そして炭水化物と砂糖に精神を蝕まれ怠惰に成り下がっている!」
(´・ω・`)
「俺も嫌やでぇ!これからも働かずに食っていくんや!これからも楽して昼まで寝るで!」
(。・・。)
「お兄ちゃんまで・・・。堂々と恥ずかしいことを宣言している」
(。・・。)
「・・・・・・僕のせいだ・・・」
(。・・。)
「僕がゾンビアーマーなんか作っちゃったから人間が働くことを忘れてしまったんだ」
(´・ω・`)
「ピザおかわりや!」
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