第4話 インベーダー
(@@)
「時は遡って西暦1974年、アメリカにあるアレシボ望遠鏡からヘルクレス座の星団M13にむけて実際に発信されたメッセージがある。その中身はDNAの構造や太陽系、人間の情報が2進数で書かれており、その目的はエイリアンと交信するためであった」
(@@)
「そして現代、人類がゾンビ災害から徐々に復興していく一方で、地球から38万キロ先にある月の裏側には、はるか遠い惑星からはるばるやってきたエイリアンを乗せたUFO型の母艦が地球侵略に向けて着々と準備を進めているのであった」
宇宙
月の裏側。UFOが3基月に着陸し侵略の刻を待っている。先刻地球から飛び立った、先遣隊の乗る視察機がそのUFOへと吸い込まれていく・・・。
👽
「先遣隊が製薬会社で例の薬をばら撒いて早3年、そろそろ人間どもは全員感染し互いに食い合いあてもなく彷徨している頃だろう。そしてようやく我々も月へと到着した。侵略の日は近い」
👾
「遅れて申し訳ございません。只今到着いたしました」
👽
「おぉ、久しいな。例の電波が届いてから今まで先遣隊として地球に向かい惨事を引き起こすという任務を成し遂げよくぞ母艦へと戻ってきたな。褒めてつかわすぞ」
👾
「ありがたき幸せでございます」ペコリ
👽
「して、現在の地球の様子はどうだ?全滅したか?」
👾
「それが、その・・妙なことが起こりまして・・・」
👽
「妙なこと?妙なこととは何か?まさか失敗したのか?」
👾
「いえ、失敗はございません。しっかりと人間共をパンデミックの渦に陥れてやりました。しかし・・・」
👾
「一度見ていただけたらわかると思います」
👽
「???」
地球
ゾンビが人間の乗る牛車を引いている。
(´・ω・`)
「おぉここでストップやゾンビアーマーMark21」
🧟
「了解。止まります」
(´・ω・`)
「ふぅ音声認識を導入したらますます便利になってもうたな。疲れ知らずの死亡知らず、おまけに文句の一つも言わんってコスパ最強やん」
(´・ω・`)
「ちょっと降りて作業の進捗状況をみなあかんな。太りすぎて牛車から降りるのも一苦労やで。よっこらっしょっと」グキ!!
(´・ω・`)
「ぎゃあーーー。こ、腰がぁーーー。ゾンビアーマーMark21。救助信号を送ってくれーー」
🧟
「了解。送ります」
👽
「・・・車を引っ張る機械みたいな人間みたいな奴と腰が痛いと喚くデブ。シュールすぎる光景だな。これが一体どうしたというのだ?」
👾
「実はあの牛車をひいているのが薬によってゾンビになった人間なのです。途中まで地球侵略は順調だったのですが、どうやら機械を装着させることで労働力として生まれ変わらせることに成功したらしく・・・」
👽
「なんと、そのようなことが」
👾
「作用でございます。肉体労働はゾンビが、そしてその操作には技能実習生なる部隊が担い、95%の人間は手持ちのゾンビを奴隷のように扱うことで快適な暮らしをした結果肥満の糖尿病持ちでございます」
👽
「地球人がデブだからなんだというのだ?」
👾
「いえ違います。報告したいのはそのようなことではございません。そもそも地球を侵略しようと決定した理由、事の発端を覚えていますか?」
👽
「勿論だ。馬鹿な人類が自らの特徴を記したデータをこちらの星へと発信してきたのだ。それらを精査し、地球へとスパイを送り込み文明の度合い、人なる生物やその惑星の環境を鑑みた結果、侵略を決定したのだ」
👾
「失礼ですが少し補足させていただきます。我々の文明よりも劣っていたから侵略を決定した、でございます」
👾
「長らく地球人を観察していますとこの数十年の技術の進歩の速さと発達には驚かされるばかりでございます。そしておそらくこのままいけば将来我々の文明も容易く追い抜かれるでしょう」
👽
「そこまでか。そのようには思わんが。たかだかゾンビを手懐けただけであろう」
👾
「しかし我々にはその発想は産まれなかった。その差こそ私が一抹の不安を覚えているところです」
👾
「今回の作戦は中止致しましょう」
👽
「バカな!これは決定事項なのだ。今更変更などできるはずがなかろう」
👾
「・・・・・・
👽
「そう心配するな。杞憂で終わる。さっさと戻って攻撃を開始だ」
(´・ω・`)
「ぅぅぅぅぅ、腰が・・・」シクシク
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