第4話 炊き立てご飯へ道のり

飯田が白米を1番美味しいと思う瞬間は一口目に食べるお米より、アツアツ炊き立てごはんだと思っている。


毎日朝ご飯を炊いて食べるのが飯田の習慣で夜は冷や飯をレンジで温めて食べることが多い。

よくをいうと晩御飯も炊き立てのご飯が食べたいところだが、1人暮らしのため一回に炊くご飯の量が多いので我慢している。


最近、炊飯器よりガス炊飯器で炊いたご飯がおいしいと知人におしえてもらったので、飯田はさっそくガス炊飯器を買ってきていた。


炊飯器はボタン一つで調理可能だし、予約機能もあるから放置していても自然と炊き上がるものだが、ガスの場合は火加減は自分でコントロールしなくてはならず、初めて炊く場合目が離せない


だが、ガス炊飯器の方が炊き上がるスピードが炊飯器より早いと聞く。

本当にそうなのか検証もかねているのだ。


なので、飯田は特に予定もない休日にご飯を炊く事にしたのだ。


せっかくのご飯が黒焦げにならないようしっかりと下準備もした。


“はじめちょろちょろなかぱっぱ、赤が泣いてもふた取るな”


はじめの部分の調整が難しそうだが、そこさえ乗り切れば大丈夫だ。

なんとかなるだろう。


ということで前の晩に研いでおいたお米とガス炊飯器をガスへと移動させてガスに火を入れた。


最初は弱火で炊くようだが、購入したガス炊飯器はその工程は必要ないらしく、最初から強火で炊いていく


しばらくたつと中の水が噴き出してきて、蓋がコトコトと鳴ったので、すかさずそこで弱火におとし8分間放置する。


たぶん赤子とはこの中の水が噴き出して蓋がコトコト鳴っても蓋を取ってはいけないということなのではないかと思う。


スマートフォンで8分間タイマーを設定してなるまで待つ。

この時間帯はおかずなど作る時間にあてたらなおいいだろう


あっという間に8分がたち、ガスを一気に強火へと上げる。強火にして10秒後火を止めた。


ここまでくれば、下手に焦げているということはないと思いたいが蓋を開けるのはまだだ。

ここから蒸らすことよって炊き上がったお米の具合が違うらしい。


なので蒸らしに10分間また事にする。

はやく食べたい気もするが、もう少しの辛抱だ。

炊飯器で炊くよりは圧倒的に早く炊き上がるのでこれぐらい待てるさ。


あっという間に蒸らし時間が終わり、やっと蓋を開ける。

蓋を開けると白くツヤツヤとお米がたっており、ゴクリと飯田の喉が鳴った。


お茶碗に炊き立てごはんを入れ、箸で掬う。

ツヤツヤとしていてとても綺麗だ。

パクリと口に入れると白米独特の甘さが広がり、あっという間にお茶碗一杯を食べ終えてしまった。


これは、炊飯器よりガスの方が美味い。

炊き上がるのも早いし、ハマってしまう。


飯田は止まらず二杯目へと手を伸ばした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る