第113話 異変

 翌朝、俺の隣にはエルザがいて、穏やかな寝息を立てている。勿論2人共裸だ。

 とある物はガチャにて使う為にストックしている。初物貫通シリーズガチャの為だ。ネーミングがえげつない。もっとオブラートなネーミングがあってしかるべきだと思う。断固抗議したい!


 多分イリアとミリアも近い内に正式に妻になるのだろうと思うが、ガチャの内容が2人ので数が揃い、ようやく引けるのだが、UR華確定なのだ。男女の区別がないが、初めての相手との愛し合った痕跡がガチャの条件に何故なっているのか!?設定した奴の意図が分からなかった。単に変態なのか、精子バンクを作り、人工授精でもするのか?等と思いながら、考えを巡らせているといつの間にか、その心地よい胸に抱き寄せられていた。


 それからただただ抱きしめあい、お互いの温もりを感じ、まったりとした時間を過ごした。

 エルザは今日、馬に乗るのはきつい筈だから、馬車を買う事にした。


 小型の馬車に、乗ってきた馬を繋げて村々を回る。勿論御者は俺がする。


 今日は本当は1日宿にいたかったが、そうも言っていられないので、エルザには馬車の中に大人しくしていて貰う。毛布やら布団を敷き詰め、可能な限り快適に過ごして貰う。


 道中エルザは御者をすると何度も言って来るので、時折一緒に座って肩を抱いていた。単に横でいちゃつきたかったようだ。


 30分~1時間くらいに1つ村があり、村長に話をしていく。


 15時少し前に異変があった。

 ハインが飛んできたのだ。

 今の大きさは成鳥した鷹位だ。一気に成長していたのだ。


 距離があるので、ミザリア達とは念話が出来ず、伝書鳩代わりにハインを寄越したようだ。何故なら、ハインの首に小さなポシェットがあり、中に手紙が入っていたのでエルザに読んで貰う。


「大変よ。村に急ぎ戻らないと。盗賊が攻めて来そうって。斥候が来たって書いてあるの」


 わざわざ幼体のハインに手紙を持たせ、伝令として送り込んだのだからかなり切迫していると判断するしかない。


 ハインは無理をしたようで、俺の膝の上で丸くなっていた。労いつつエルザに意見を聞くが、やはり村に急行する事になった。馬を潰す事になるかもだが、急げばなんとか夕暮れ迄に辿り着く。近隣の村々は7割は回った認識だ。


「じゃあ村に急ぐか。エルザ、しんどかったりしたら直ぐに言うんだよ。大事なエルザに万が一があるなんて耐えられないからね。皆が待っているから急ごうか」


 そうして予定を切り上げ、フランカ達が待つ村に急ぎ向かい出す事にした。

 ハインはエルザに託し、エルザに撫でられて満足そうにゴロゴロしている。


 道中特に何もなく、順調に進んでおり、次第に村から立ち込める煙が見え始めたので、俺は焦り出したので有った。

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