第13話 講習
2人を引き連れてギルドに向かう。
ちっパイではあるが、それでも2人は誰もが羨む美少女だ。
その為だろうか、注目を浴びる事になってしまった。
講習会場に入ると既に多くの冒険者が思い思いの席に座っていた。
俺は1番後ろに座ったのだが、俺が座れば必然的に2人が俺を挟んで座る。
周りを観察すると男の冒険者が6割、女が4割で30人程いる。
早速ちょっかいを掛けてくる者が出た。
いかにもビギナーだが、粋がっている勘違い野郎だ。
「ようネエチャン達、そんな弱そうでショボい奴じゃなく、俺達のパーティに入んなよ!いい思いをさせてやるぜ!」
イリアが冷たく突き放す。
「失せなさい下郎」
ミリアも油を注ぐ。
「残念ですが貴殿方では私達の足を引っ張ります。お引き取りを」
2人共冷たい喋り方で、いかにもといった感じの冷酷で感情のない口調だった。
「なんだてめえ?女連れだからって、格好付けてんじゃねえよ!」
イリアがきつく言い返した。
「頭の悪い下郎ですわね。友安様は何も言っておりませんし、下朗を相手にする訳がないでしょう!目障りです!失せなさい」
俺は頭が痛い。2人が温厚に断らないからだ。しかも俺が悪い事にされているが、奴らが俺に手を伸ばしてきた時に丁度講師が入ってきた。
「覚悟しとけよ!後で必ずぶっ殺してやる」
三下らしいありふれた捨て台詞を吐き捨てると、席に向かっていったが、俺をずっと睨んでいる。
イリアとミリアがどや顔だった。
「友安様の手を煩わせる程の手合いじゃないから、適当にあしらったんだからね!」
「良い対応でしたわよね!」
「真面目に言ってるのか?はっきり言って呆れたよ。俺は今後夜道に気を付けなければならなくなったレベルだよ。もう少し穏便に頼むよ。なあ本当に頼むよ。うう頭が痛い」
2人は口を尖らせており、不満顔だ。
講習について2人にはちゃんと話を聞くように言ってある。
講習は午前が座学、午後は魔石の抜き取り実習、次に戦闘訓練及び模擬戦だ。
座学での魔物の説明は魔力が凝縮されて魔石が生成されて、それが核になり肉体が構築される。倒したら魔石を必ず抜き取るように説明された。魔石は大抵の場合心臓の辺りに有ると。
もしも魔物を倒した後、魔石を放置すると復活する。しかもレベルアップしたり、進化したり強い種族に生まれ変わったりと、先ず間違いなく強くなって復活するのが殆どだ。
魔石を抜き取らずに土に埋めると特に厄介で、土から這い出られる強さになるまで、何度も死亡と復活するのを繰り返し、時にゴブリンを埋めたらオーガになったなんて話もある。抜き取りが厳しい時は魔石を破壊するのが鉄則だと。
また、一部の耳の無い魔物は魔石が討伐証明を兼ねているという。
パーティーシステムについて等の話があった。
この世界はレベルの恩恵があり、レベルが上がると魔力やスキルの力が上がる。魔法や攻撃についての耐性が上がりダメージを負いにくくなるのだ。
レベルが強さのバロメーターだが、技術が伴わないと攻撃が当たらないので、パワーレベリングは諸刃の剣となる。パーティーメンバーに対して倒した魔物等から入る経験値が人数割りとなるからで、逆にパワーレベリングが可能なのだ。
奴隷についての話もあり、奴隷は主人のパーティーメンバーの扱いになっている。
ただ奴隷は通常奴隷落ちになった時にレベルをリセットされていると。
何気に俺、イリア、ミリアの3人共、レベル1だったりする。そうこうしていると、午前の講習が終わる時間になっていたのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます