第12話 2人からの責め

 目覚めると俺の両隣に何かの気配があるというか、腕をホールドされている。

 微妙に膨らんでいる自らの胸へ、俺の腕を一生懸命押し付けている感じだ。つまりチッパイさんなのでイリアとミリアで決定だ!もう少しすると一気に成長してナイスバディになると予測!もとい、期待している。


 だが、あくまで今後に期待である。しかし今はその胸の小ささに哀れみさえ感じ、そして突っぱねる。


「おはよう。所でなんでそんなにくっついているんだい?ひょっとして寒がりか?」


 ミリアが甘えた感じで答える。


「心細かったのです。最早私達は友安様に縋るしかなく、友安様の温もりが欲しいのです。駄目ですか?」


 イリアが続く。


「美少女2人がくっついていて、友安様はウハウハだよね!私達に感謝すべきよ!」


 訳のわからぬ事を言うが、俺は耳をモフった。


「お前ら胸は残念だが、耳は気持ちいいなあ!」


 2人がハモる。


「一度死ぬと良いわ!乙女の敵ですわね!」


 両サイドからステレオで言い放ち、ペチっとされた。これよりも強いと攻撃とみなされるので、そうならないギリギリだ。


「何が乙女だ!まだチッパイのお子ちゃまじゃないか!悔しかったら俺の手でモミモミできるサイズの胸に成長するんだな!ぐはははは」


「ねえねえミリア!この変態が虐めるの」


「あら、やだわねイリア、心の狭い小心者がいましてよ」


 俺の両隣で俺を挟んで俺を責め立てる。

 俺はふと思った。


「おいイリア、お姉様としては妹に勝るとも劣らないような何か特別な力はないのか?妹の方は凄いじゃないか!?」


「ふふふ!聞いて驚きなさい!最強なんだからね!聞いたら絶対に即刻結婚を申し込むわよ!そうしたら結婚してあげても良くてよ!ねっ!き、聞きたい?」


「うーんこの先はともかく、今は結婚を申し込まんと思うが、まあ聞いてやらんでもないぞ!」


「そ、そんなに聞きたいなら、し、仕方がないから教えてあげるわよ!心して聞きなさい!スキルレンタルよ!」


「はあ!?」


「驚いた!?ふふふ。1度につき5分だけど、私のスキルをコピーして貸し出せるの。1度使うと30分は使えないから考えて使わなきゃならないのよね」


「うい?それの何処が凄いんだ!?」


 「お世辞にもミリアは戦闘スキルが強力とは言えないのよ。でもね、私のスキルをレンタルすれば私と同じ強さになるの。しかも連携できるから、1時的に強力に戦えるのよ!凄いでしょう!?私達は双子だから息もぴったりなのよ!自分で言うのもなんだけど、私の剣術は上級冒険者並なんだからね!」


「確かにイリアの剣術をミリアが使う事が出来れば凄そうだな。言うだけの事は有るようだな!うんうん。素晴らしいな」


「でしょでしょ!見直した?」


 俺はそっとおでこにキスをした。お子様キスだ。


「さっきはゴメンな。胸の事だが、2人共これから成長するだろうし、いずれ大きくなるだろうから、今は焦らなくても良いんだぞ。あのな、そのな、2人共可愛いいし、胸以外は俺の好みの容姿だから、ついついからかいたくなるんだよ。今君達が18歳だったら結婚して!と言っているよ。だから焦るな」


 そう言うとくねくねして恥ずかしがっていた。


「そうだ、ミリア、下着姿になりちょっと立て」


 俺が真面目に言っているので素直に従う。忘れていた事を行う。


「少し触るぞ。胸は乳首が見えないようにだけして、下着を捲って俺に見せろ」


 俺は顔やら胸も少し触って傷があった所を入念にチェックし、押したりして反応を確認する。


「今触った所で違和感があったり、痛い所は無いか?治っているとは思うが、女の子の肌に万が一があってはならない。俺が見て触る限り違和感は無いがどうだ?」


「はい。大丈夫そうです。昨夜も異常は無かったです。心配して頂き有難うございます」


「決して無理はするな。まだ治ったばかりで体力も落ちているだろう。さあそろそろ着替えて講習を受けに行かなくちゃな」


 そう言い革の服を着せる。下手な鎧より防御力が高かったりするのだ。

 イリアがむくれていた。


「イリアお腹を見せろ」


 イリアの顔がぱっと明るくなる。


 「触った感じだと正常そうだが、どうだ?」


 「うん。大丈夫よ!私の事は嫌いだと思っていたけど、心配してくれるんだね。有難う」


「なんでお前の事を嫌わなきゃならんのだ!?俺はイリアもミリアも好きだよ。さあ万歳して」


 そう言い服を脱がせ、革の服を着せる。結構着難い為1人で着るのが困難だったのだ。イリアは奮闘していたが、結局俺が着替えを手伝う事になった。


 2人は機嫌が良かった。段々2人の扱いが分かってきたが、年頃の女の子の扱いは難しいなと痛感した。


 この2人は自分達をちゃんと気に掛け、愛してくれる人を求めているのだと理解した。

 俺が好きだよとか綺麗だねとか言ってあげると、それ以上は挑発してきたり、饒舌にならずに素直になる。挑発していたのは単に俺の好意を、意識を惹きたかったからのようだ。


 愛に飢えていたのだ。無理もない。この歳で奴隷にされ、あまつさえ犯されようとしたのだ。不安なのだろう。出来るだけ愛情を注いで大事にしようと己に誓う。


 俺も革の服を着て、ベルトに剣帯等を着けてから食堂に行き、食事が済んだ後はギルドに向かうのであった。

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