第8話 イリアとミリア

 先ずは妹の方を布団に寝かせ、俺は姉の方に質問をした。


「詳しくは後だが俺は友安だ!名前は聞いていいのか!?」


「命令でしたら奴隷になる前の名前をお伝えしますが、任意でしたら聞かないで頂けると嬉しく思います。名前は捨てさせられておりますのでどうかご命名下さい」


「そんな事だろうなとは思ったが、そうだな、君とかお前じゃ不便だし、じゃあ君がイリアで妹の方がミリアでどうだ!?勿論他の名前が良かったり、元の名を名乗りたかったら遠慮せずに言うんだよ」


「素敵な名前をありがとうございます」


「その格好は酷いから取り敢えずこれに着替えて」


 先程購入した服を渡すと、躊躇なく目の前で脱ぎだしたので慌てて顔を背け、妹のミリアの方を見るが酷い傷に怒りが湧く。ちらっと見えたイリアの胸は綺麗だが大きさが俺の守備範囲外だ。丁度膨らみ掛けでほぼ絶壁だった。


 「取り敢えず治療を試みよう。イリア、もし俺が魔力切れとかで気絶したら後を頼むのと、その場合は食事を2人分持ってきてくれ。お金はこれだ」


 イリアにお金を手渡して後を託した。イリアが取り敢えずちゃんとした服を着たので漸く彼女の事をまともに見る事が出来た。


 歳は中学生位だろうか?アイドルだとセンターをやれる位の可愛らしさ。というか少し幼さを残しつつも歳不相応に奇麗な顔立ちだ。正にロリ女神だ。


 顔は好みだが、胸はまだ成長期だろう、2人共Aカップ以下と幼児体型で痩せ型だ。ブラはこの世界にあるのかは分からないが、あったとしても膨らみが無さ過ぎてまだ着けられないだろう。


 身長は145cm前後かな。尻尾と耳が気になる。後5年したらこの子達を巡り戦争が起きても不思議じゃないな!と綺麗な子だと思うけれども、まだ子供だ。特に胸が。そう胸が。大事な事なので2度言います。


しかしどうしてこうなった!?奴隷とやれる!と意気揚々と奴隷を買いに行ったが、気が付いたらエッチできないような子供を買ってしまった。しかも1人は死に掛けだ。完全に保護者になってしまった・・・


 まずはミリアをどうにかせねばと思い、お腹に手を触れて先程奪ったヒールを掛け出す。どんどん魔力が吸われているのが判るが、不思議と大丈夫だ。

 状態を見るのに既に服は切り裂いている。怪我をしているので脱がす事ができないからだ。小振りなというか、殆ど無いに等しい胸が見えるが興奮は一切ない。幸い乳房は切り取られてはいないが、大きな裂傷が体全体に有り、目を背けたくなる位だ。そう、胸の傷も酷い。性的に揉んでも良いと言われてもとてもでは無いが無理だ。それ位酷いのだ。これを見て興奮する奴がいたら、即刻心療内科にてちゃんと診て貰った方が良い。


 先ずは胸部周辺の裂傷が命取りになりそうなので、重点的に治れと祈るとスーッと消えていき、綺麗な肌と小さいが綺麗な乳房が顕になる。


 但しあまりに小さい盛り上がりだ。


 俺はもっと大きいのじゃないと興奮しない。顔の包帯を取り怒りを覚えた。火傷がジュクジュクしている状態で、瞼もただれている。女の子にこれは余りにも残酷だ。イリアはその顔を見てただただ泣いていた。


 俺は己の配慮の無さを呪った。見るなと命令してでも、ミリアの姿を見せるべきではなかったと後悔した。


 だが、これもヒールで綺麗な顔を取り戻したい!と祈ると段々火傷が無くなる。流石にしんどくなり、ゼイゼイハアハアと俺の呼吸が荒くなる。2人はどうやら一卵性の双子のようで、幼さを残しつつも可愛いというか、綺麗な同じ顔が現れた。次は脚だ。


 腱を切られていると言うから、再び歩けますように!と祈るとアキレス腱がくっついたのが分かる。


 裸のまま仰向けに寝かせているが、俺は傷がないか必死に見ている。裸の女の子を見ているが、必死だった所為か真面目に見ていて、傷があった所を触り滑らかな肌になっている事を確認してホッとする。


 胸も女性の生の胸を初めて見て触ったが、そういう目で見ていなかったので後で項垂れていたりする。小さいとはいえ多少は弾力が有ったのだ。まともな治療なんて当然初めての事で俺は必死だった。

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