第45話オーストラリア
折角のルンルン気分で暮らせると、期待してアメリカに帰ったのに・・・
又も緊急依頼が舞い込んでいた。
それを言って来たのが彼女だった。
仕方ない。本当は嫌だったが「分かった。君の頼みだ」と引き受けた。
そしてジェット飛行機内にいる。
用意されたノートPCで情報を見ていた。
場所はオーストラリアの南東部の海岸平野であった。
当初の被害は、飼われていた牛や羊だった。
初めは数頭の被害だった。腹を食い漁った跡が残っていた。
そして月日が経過して、人にも被害が出るようになった。
被害にあった場所には、必ず穴が開いていた。
そして、食い残すこともなく、
その穴も徐々に大きくなっていた。
1メートルの穴が、2メートルになり、今では4メートルにもなっている。
その穴の広がりからも、巨大な怪物に育ったことが推測される。
明らかに地中に生息する怪物だった。
しかし、その正体を目撃した者も居ない。
防犯カメラが捕らえた影は、あっという間の出来事で今も解析中だった。
ベナラ空港へ降り立つと、すぐにヘリに乗り込んで出発だ。
そして乗り込んだのは、今日出来た穴だった。
それは1つぽつんと建てられた家だった。
農家のようで、近くの家も1キロも離れていた。
壊されたドアから中に入った。
寝室だっただろう部屋には、巨大な穴が開いていた。
なんでも老夫婦が住んでいたらしい。
そばに居る担当官の話だと、ここの老夫婦から地面が揺れている通報があった。
すぐに駆けつけた警察は、返事のない現場でドアを壊し中に入った。
そして穴を発見した。老夫婦の捜索もしたが、やはり居なかった。
俺は、穴を前にしてキラーアントを召喚してゆく。
1体1体が召喚されると、穴に潜り込んでいった。
20体のキラーアントが召喚された。
俺が地中に強い魔石召喚獣は、キラーアントしか知らないからだ。
キラーアントから送られる念話で、俺らも地上から追跡していった。
1キロ先で土煙が舞っている。
そして正体を現した。巨大なワームだった。
口なのか、口の中は鋭い牙のような物が無数に生えていた。
巨大ワームとキラーアントは戦っていた。
巨大ワームは、
ワームラー
名:アリー
レベル 5
HP2400/2400
MP1000/1000
スキル
暴食
なにやら食うしか能力が無いみたいだ。
そして、30分後に戦いは終わった。
勝利した喜びなのか口を「カチカチ」とさせている。
キラーアントは、基本的に話せない。念話での会話が基本だった。
「なに、まだ12体も居るのか? 担当官、聞いたかまだ12体居るみたいだ」
「それは本当ですか? 場所は分かりますか?」
キラーアントが送る情報を元に、地図に書き込んでゆく。
その情報を使って、住民の避難が開始された。
その間、キラーアントが穴に入って討伐することになった。
送られる情報によると、深くに潜って寝ているらしい。
その寝ている所を襲っているらしい。
残り5体だ。その5体が突然に地上に現れた。
キラーアントを相手だと地中は不利だと
5体は、地上で街中を暴れまくっていた。
しかし、ワームが出て来た穴からキラーアントが現れると一転した。
蟻酸の集中攻撃を受けて、次々に討伐されている。
夕暮れ時になって、戦いは終わった。
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