第41話オークの集落




無駄な時間を消費してしまった。

あの学者連中に引き止められながら、どうにか逃げ出した。


ここから20キロ先に、オークの集落が発見されたと新たな情報を受けて行動だ。

俺はキラ達に運ばれながら、スマホのアプリで確認して行き先を指示。


「もう少し右だ」


『これいいですか?』


「ああ、そんなもんだ」


しばらく飛び続けて発見した。

多分あれで間違いないだろう。だいぶ手前で地上へ降下して飛び降りた。

急いでハーネスを回収。




キラに偵察させる事にした。


どうも500体以上いそうだ。ぼろい家が無造作に建ち並び中央に広場を作っていた。

そして1件だけ大きな家があった。あそこにボスが居そうだ。


キラがオークの会話を聞いた。それは英語であった。


「お前、あまり獲物取ってないな」


「そうなんだ、分けてくれるか?」



なぜオークが英語を話すのか、不思議でならなかった。

一気に討伐する積もりだったが、慎重に調べる必要がありそうだ。



まずはあの大きな家からだ。キラは屋根に止まり、くちばしでスキ間を作って中をのぞいている。


一人の少女が椅子にもたれ掛けて「これだけなの、くだものはないの」


2体のオークが土下座をして謝っていた。


椅子の横に居たオークが「下がれ、遠くの方で探せバカどもが」


疑問が更に疑問を生み出していた。見た目は少女がボスに見える。

キラをとうして鑑定はできない。


色々考えをめぐらすが答えは出てこない。今夜あの家に忍び込み少女をさらうか・・・

人質なら救助になり、違う場合でも少女から聞きだせるだろう。





夜になるまでキラに見張りをさせて、俺はゆっくりと一眠りすることにした。




充分に暗くなり時計は、0時を過ぎていた。

キラ達に夜空へ運ばれ、大きな家の屋根にゆっくりと着地。


屋根のスキ間から中を覗き確認。少女とオークは寝ている。

状態異常魔法の睡眠を、少女とオークにしっかりと掛ける。


ロープをたらして、ゆっくりと下に降りてゆき。

少女を抱え合図をすると、ゆっくりと上に上昇。


屋根の上に出たのでそのまま、集落を離れた。


「降ろしてくれ」


徐々に降下して着地に成功。

あらためて少女を鑑定。



マリア・ルーベル


レベル 20


職業:


HP300/300

MP150/150


スキル

テイマー


魔法

風魔法5



少女の睡眠を解除した。

しばらくすると少女は目を開けて目をこすっていた。


「あなたはだれなの、ここはどこなの」


「ここは集落の外だよ、君を助けんだ」


「たすけた・・・オークはどうしたの」


「何もしていない。君だけを連れ出しただけだよ」


「そう、よかった」


「何か事情があるみたいだが、教えてくれるかな」


「オークはわたしのてしたよ、だからころさないで」


「分かったよ、殺さない。何故、君が1人であそこで居たの教えてくれ」


「わたしとおやは、ふねでたびをしていたの、そこにおおきなワニがでてきて、おやをころされた。・・・・わたしはたすかったけど・・・。いきるため、たたかい、なかまをふやした」


「そうか、そのワニなら俺が退治したから大丈夫だ」


「え!ころしたの、ふくしゅうのためにがんばったのに。それでも、ありがとう」


落ち込んだように、うつむいていた。


「これからどうする積もりだ、本国に連絡するか?」


「ふくしゅうしか、かんがえていなかった・・・オークをみすてられない、わたしのたいせつな、なかまだから」


「それならオークを使って、怪物退治の仕事すればいい」


「そんなことが、できるの」


「俺が連絡しておくよ。上手く話しておくから」




俺は無線機でギルドに連絡した、話は5時間もかけてようやく向こうは納得した。

彼女が直接話したのが良かったみたいだ。


「オークがしんぱいするから、かえらせて」


少女とオークの集落に戻った。


朝日が薄っすらと集落を照らし出していた。見張りのオークが気付き。


「女王様、どこへ行っていたのですか? その者は、何者ですか・・・」


「しんぱいしないで、わたしのしりあいよ」


大きな家入って行くと、まだオークは寝ていた。


俺が3体のオークを解除すると、3体は目覚めて驚いていた。


「お前は、何者だ」


「しんぱいしないで、それにしても、よくねてたわね」


「申し訳ありません、女王様」


「このシンがさいしょにテイムしたかいぶつよ」



ここでも2日滞在する事になった。


ようやく来たギルド関係者は、マリアに親族からの依頼だった。

本国に帰るよう説得するも、説得に応じないマリアがいた。


オークを本国の輸送するにも、色々手続き大変で思うように出来ない。

その為にこの国のダンジョン攻略を、幾つか攻略する条件で出国の認可が下りた。


指定された近場のダンジョン潜る事になった。




ギルドからの支給された武器をもったオークが、ダンジョンに潜る。

武器は頑丈に出来ていたので、オークのバカ力に耐えながら1階の怪物を討伐する。


オーク達のレベルアップが早い。テイム効果のせいかもしれない。


2階へ降りた。ここでもオークはバカ力で怪物を討伐。

中に進化する者も現れた。その進化でスキルを取得してパワーアップした。


マリアの魔法もレベルアップして、風魔法で一気に討伐する。

そして3階・4階と順調に討伐していった。


5階のコア前の怪物に止めを刺したのがシンで2度目の進化が始まった。


大きく体が成長している、マリアはコアをにらみつけていた。

目は親の敵を見るように、怒りに満ちていた。そして魔石で叩いた。


砕け散ったコアにたたずむマリア。


マリア・ルーベル


レベル 22


職業:魔物使い師


HP450/450

MP350/350


スキル

テイマー


魔法

風魔法6


これで1回目の攻略が出来た。

マリアの説明だと、魔物使い師の職業は1.5倍も魔物を強くさせるみたいで、絆も強くなるらしい。



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