第40話新たな発見
又も討伐依頼が来ていたが、上位の依頼を避け下位を選んだ。
下位には、発展途上国が多く、ただ被害を出し続けていた。
上位は、まだ避難する余地がある国だかだ。
そこはうっそうと茂るジャングルの奥地で、曲がりくねった川を上流に向かって進んでいた。
ここはアマゾンで熱帯雨林地帯。肌に薄っすらと汗がにじむ程に暑い。
ここアマゾンに巨大ワニが棲んでいた。近くの村々を襲い被害が拡大していた。
今は、キラ達が上空から捜索中。かれこれ半日が経過している。
あ!動きがあったようだ。俺は今キラの眼を通して見ていた。
川底に巨大な影が動いていた。
全長5メートルはあった。
早速ドラ丸を召喚すると、飛び立ちキラが居る方向へ向かった。
ドラ丸が影の上に到着、一瞬止まり急降下。
そのまま両足を川に突っ込んだ。
はばたき空中に現れた時には、両足に巨大ワニをつかんでいた。
そして空中に止まった状態で、ワニの腹を食い破っていた。
ジタバタと暴れていたワニは、しだいに大人しくなり消えた。
キラは急に急降下して、川に落ちる寸前の魔石を拾上げていた。
俺はその動きに眼が慣れなく、気分が悪くなってしまった。
長い時間、キラとリンクし過ぎた。
キラのつながりを切り、深呼吸をしながら落ち着かせた。
キラとドラ丸が空中で心配そうに見ていた。
キラから魔石をもらい受けた。
「後2体いるから探せ」と強めの口調で指示をだした。
どうも船上は落ち着かない。
川岸に近づき陸に降り立つ。
やっぱり地面がいい。動かない地面をしっかりと踏み締めながら歩く。
草むらに座り討伐するまで待機だと思い、周りを見渡した。
陽射しの少ない暗い場所で、丁度良い岩があった。
そこに座って光球をだして周りを明るく灯した。
幾つかの草や木が光って見えた。おかしいと思い鑑定をする。
やくそう
HP100/100
MP100/100
スキル
献身
魔法
いやしの木
HP500/500
MP300/300
スキル
献身Ⅱ
魔法
献身を再度鑑定すると、食べられる事でHP/MPを回復する。
何だこれはと驚きながら、いやしの木を見ていると果実が実っていた。
これを食べれば回復するのか、やくそうは多分苦そうだ。
果実を取り鑑定をしなおすと。
いやしの果実
HP400/400
MP300/300
スキル
献身Ⅱ
魔法
毒とかなさそうなので食べてみた。甘酸っぱい味がした。
やくそうを千切り取って食べると甘い。予想外の味だ。
元々ここらに自生していたとは考え難い。
多分ダンジョンから外に運ばれた可能性がある。
無線機を取り出し、連絡をする。
「はい・・・はい・・・そうです、ダンジョンのせいです・・・はい」
「・・・・・・・・・」
「すると他の者が来るまで、ここで待機しろと・・・・はい」
こんな所で泊まる事なるとは、テントを張って準備でもするか・・・
ナタでやくそうを刈り込み、そのまま収納。
テントの張れる広さまで刈れた。
しかし中腰作業で腰が痛い。試しにやくそうを潰して腰に塗り込んだ。
「お!凄いな。あっというまに痛さが消えた」
これは便利な物を発見した。待てよ、これは金になるぞ。
これはしっかりと交渉しないと、前回のアリの件も金は俺に入っていない。
今回の事と合わせて交渉するべきだ。理華子には相談できない。
理華子は向こう側の人間だ。俺も自立した男を見せるべきだ。
自立とはすなわち金を稼ぐ事だと、親父が言っていた。
そんな事を考えていると、キラが魔石を1個持ってきた。
おお可愛い奴だ。低級魔石を5個を取り出し、食べさせた。
おお!レベルアップした、キラは『強くなったよ』と喜んでいる。
『また行ってくる』
俺の頭上を大きく旋回して飛んで行った。
姿が消えるまで見送り、テント張りに取り掛かることにした。
できたテント内に簡易ベットを設置して無線機も用意した。
外に設置した発電機からコードを伸ばし冷蔵庫や照明につなげる。
ダークとブラックがテント周りを警護しているので、ゆっくり寝れそうだ。
光の球で照らしながら、果実とやくそうを回収。
するとキラとドラ丸が帰ってきた。魔石をもらい回収。
ドラ丸がこっちをジーと見ている「分かったから心配するな」
ドラ丸に魔石をあげて、キラたちにもあげることにした。
ダークとブラックが近づくので魔石を取り出し食べさせる。
日も傾きソロソロ寝る準備だが、人もいない場所なのでドラ丸たちは召喚したままにする。
キラ達コウモリはジャングルの方に飛び立って行った。
そうか夜がキラ達の本番か、魔石を食べたのに別腹なのか食欲旺盛のようだ。
ドラ丸は向こう側でうずくまり、つばさで顔を隠して寝ようとしている。
ダークとブラックは寝ずの番で頑張ってもらう。
朝日が差し込んできたので眼が覚めた。
ジャングルの中の鳥達の鳴き声も聞こえない。
辺りがシーンと静まり返っていた。
テントから出ると、ドラ丸が頭を上げ周りを見渡していた。
下流から中型船が3隻もやってきた。
陸に上陸してきた人は40人、その代表がシモン・ガーナンド。
俺はその代表に向かって言った。
「この発見で今後10年間、収益の3割を俺に渡す事。これがアメリカの弁護士が作成した書面です。サインがもらえなければ、一切協力しませんし裁判を起こす用意があります」
「それは、本当の事ですか?」
「本当の事です、無線で協力者に連絡して手続きも済ませました。この書面が証拠です、魔石召喚獣に取りに行かせた物です」
書面を必死に読み終わり、無線で何処かと話をしている。
3時間後に結論がでたようだ。
代表がサインしている。もちろん隠れて動画も撮っている。
撮っているのはドクロで、ドクロも隠れるのが上手くなり俺でも探し出せない程だ。
やくそうといやしの木を見せながら説明をする。
やくそうといやしの木を観察する者や、取って顕微鏡で見る者。
ややこしい機器で検査もしていた。
カメラで撮影する者など忙しく行動をしている。
質問も多くなされ、答えられる事だけ話した。
俺が帰ろうとすると引き止められ、2日も滞在するはめになった。
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