第39話ドラゴンの戦い




死の地下迷宮前で隊員が整列している、1人1人を顔を見ながら考えていた。

隊員の中から優秀だった1人を選び、隊長として任命した。


光魔法専用育成プログラムを全権任せた。


マダガスカル共和国からの討伐依頼を受けての処置だ。

訓練場では、女性達が俺を見守っている。


近場に停まっている軍用ヘリの乗り込むと、軍用ヘリはすぐに飛び立った。


それを見送る隊員達が小さくなり、少し寂しい気持ちになる。


「それで討伐する怪物の情報は」


「黄金のドラゴン1体と黒いドラゴン3体です」


「そうか強そうだな」





マダガスカル軍からのドラゴンの位置情報が全然入ってこない。

待機しているこちらは、イライラが募る一方だ。


レーダーに一切引っ掛からないドラゴンは、何処に行ったのか行方不明のままだ。

ただ待つのも嫌だったので、新開発の攻撃魔法を改善しようと考えた。


ほぼ完成に近いが、もっと威力が出るはずだと改良を試みた。




熱帯雨林の捜索隊から一報が届いた。

山奥の大きな洞窟があって、近くで黒いドラゴンの目撃情報もあった。

そこで現地人と近くの軍人が確認の為、洞窟に向かっているらしい。


早速俺も現地へ向かった。

ようやくたどり着いた時に無線連絡が入った。


実際に黒いドラゴン3体を確認。金色ドラゴンは確認出来なかった。


けわしい山を何度も通り越して、ヘリが降りられそうな所へ降りた。

後は道なき道を進み1時間が過ぎた頃にようやく見えてきた。


「多分あれが例の洞窟でしょう」


遠い山肌に穴が開いている。しかし急斜面を登る必要があった。

俺は楽に登っていたが、動向した人は登山経験がないのか、何度か滑っていた。



ようやく監視していた軍人と合流して、ドラゴンの情報が聞けた。

これは自然にできた洞窟でない事はすぐに分かった。

洞窟の周りは、つめ跡が残っていた。


俺はドラゴンを鑑定する為に、洞窟に入る事を決めた。


慎重に探りながら進むと、グーゥグーゥと音が聞こえてきた。


さらに進むとそれは、黒いドラゴンの寝息だった。

重なるように体をあずけて3体が、寝ていたのだ。


ブラックドラゴン


レベル 2


HP32000/32000

MP3500/3500


スキル

強力Ⅱ 鉄壁 威嚇 ブレス


魔法

龍魔法2 風魔法2 黒魔法2


鑑定が終わったので、引き返した。


出入り口に戻ると、ドラ丸を召喚したブラックドラゴンより大きい。

どう考えても洞窟より大きいので、洞窟に入れない。


ドラ丸は龍魔法を使い、一時的に強さを増した状態でブレスを吐いた。


一瞬で洞窟内は赤く熱せられていた。退避していた軍人より歓声が聞こえてくる。


ブレスが止まり辺りが静寂に支配された。ドラ丸の眼は輝きドヤ顔だ。

後方に気配を感じ振り返ると、遠くから輝く物が向かってくる。


ドラ丸も見ている。

そして近づくそいつに向かって飛び立った。


周りの木々が舞い上がり、吹雪のように俺達に降り注いだ。

逃げ惑いながだ、転げ落ちる者もいる。

ああ面倒くさい人たちだ。しかたなく助ける羽目になった。




そして両者は空中でぶつかり地上に落下した。「ドガン」と鈍い音が響く。


相手は黄金のドラゴンで、持ち上げた頭からは血が流れている。


キングドラゴン


レベル 1


HP51000/51000

MP10000/10000


スキル

強力Ⅱ 鉄壁Ⅱ 威嚇 ブレスⅡ


魔法

龍魔法4 風魔法4 水魔法2 黒魔法2



ギガレッドドラゴン


名:ドラ丸


レベル 3


HP68000/68000

MP15500/15500


スキル

強力Ⅱ 鉄壁Ⅲ 威嚇 ブレスⅢ


魔法

龍魔法7 風魔法4 水魔法3 黒魔法3



今、地上で2体のドラゴンが戦っている、ドラ丸は有利だが油断できない。


俺はアメリカで開発中のレールガン用砲弾の2倍大きい砲弾を取り出した。

空中に浮かせて両極に電磁気力を流しながら、狙いを定めて撃った。


キングドラゴンの体を貫通した。

キングドラゴンは倒れそうな体を持ち堪えた。


しかしドラ丸が体を回転させながら、大きなシッポをキングドラゴンの首に叩き付けた。


キングドラゴンの首が変な方向に倒れている。

そして消えてしまった。


ドラゴン対決が終了した。

余りにも呆気ない結末だ。

隠れ見ていた軍人達は、手を振り上げて叫び続けている。


「やったぞーードダゴンが死んぞ!!」


よっぽど恐かったのだろう。その反動が行動に現れていた。


レッドを召喚してバックを渡して魔石回収を指示、レッドは命令道理に飛んで行った。

レッドは命令に忠実で可愛いヤツだと見守っていた。


ドヤ顔のドラ丸が近づいてきて、ほめてほめてと顔を縦に振っている。


魔石を5個を食べさせながら顔をなでてやる。

コイツはしっかり甘えん坊になってしまった、甘やかしたのは俺だが。


魔石回収も終わった。


ドラ丸が手の平を差し出して『乗って下さい』と言ってきた。


俺はゆっくりと乗り込むと、軽く握り飛び立った。


1回大きく旋回した後、山向こうへ向かっていき。

10分で着陸した。そこにも大きな洞窟がありドラ丸は入っていく。


突き当たりに少し広いスペースがあった。


ドラゴンの卵らしいものが20個あった。

キングドラゴンの卵


鑑定結果はドラゴンの卵だ、ここで始末するべきか・・・

報告するべきか悩んでしまい、鑑定をし続けてふと思った。


キングドラゴンの卵の鑑定表示に生命感を余り感じない。


生命がやどる前の卵かもしれないとBoxへ収納してみた。

すんなりと入ってしまった。魔石獣が宿る魔石と同じようだ。


これで問題を先送りできた。深く考えないで明日の事を考えよう。


やっぱり電波は通じない。


ドラ丸に「運んでくれ」


手の平を差し出したので、乗り込みながら妄想にふける。

今回のミッション無事終了した、明日はどうなるのだろう。



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