第36話泥ゴーレム




幾つもの乗り換えをして来たのは、同じ中国の西南部に位置する雲南省うんなんしょう

そこの徳宏とっこうタイ族チンポー族自治州であった。

それもチンポー族が住む地域であった。


そこには、泥ゴーレムが出没していて、討伐に困難を極めていた。

軍による制圧も間々ならない。


戦車は泥によって動きを封じられて、なす術もなく終わった。

人による部隊も同じだ。地面の中に引きずり込まれて、帰って来る者はいなかった。


軍用ヘリも高度を下げ過ぎると、泥弾によって撃ち落とされていた。


今は、空爆を繰り返すだけで、ダメージを与えているのか確認も取れていなかった。




そんな危険地域の手前の村で、軍用ヘリから降ろされた。

そこには、前線基地があった。


「バーヤン、彼をお連れしたよ」


「どうもよく来てくれた。感謝しているよ」


ギルド職員の男は、地図の池に近い位置を指さした。


「ここにダンジョンがあるはずだ。早い段階で攻略を試みたが、泥ゴーレムによってはばまれた。頼む助けてくれ」


悲痛な顔で言ってきた。

俺はアプリに座標を打ち込んだ。


「ああ、なんとか努力はしよう」


そして見送られて、その村から去った。




急に地面がぬかるんでいる。めちゃくちゃ歩きにくい。


『主、不穏ふおんな気配と臭いがする』


嫌そうに地面を見ていたのはブラックだった。


「警戒をおこたるな!」


『分かってますよ』そんな風に言うのはキラだった。


『あ!居たぞ』


そして空から斬撃を放っていた。

胴体を切られた泥ゴーレムは、すぐに再生してダメージはなかった。


かくを狙え。体の中で動き回っているから気をつけろ」


ドクロの剣が見事に切り倒した。核が壊れた瞬間に光を発した。

泥ゴーレムは、ささえる物が無くなったように崩れた。

討伐が成功した。


雷撃が放たれて、同じように倒れる泥ゴーレム。


『俺様の実力みろーー』そう言いながら又も斬撃を放っていた。


今度は核に命中したようで、崩れ去った泥ゴーレムがいた。


ドラ丸は、一気にブレスで燃やし尽くしていた。

そして乾燥した土人形化したゴーレムを、踏み付けていた。



ブブカのパンチは、泥ゴーレムを一発で崩した。

しかし、足が掴まれて地面へと引きずり込まれた。

俺は死んだかと近づくと、泥をはらい落としながらブブカが這い出した。


『あの野郎が、えらい目にあった』


魔法攻撃で有効なのは、雷魔法だった。当たればいちころだ。

他の魔法攻撃は、核を狙う必要があったからだ。


「今で何体倒した」


『たぶん6千体は倒しました』


「まだ6千体か・・・見た感じはそれ以上居そうだな。皆、頑張ってくれ」


3時間後には、ようやく戦いは終わった。


ダンジョンを目指して出発だ。


途中で破壊尽くされた街を発見。

むごい景色であった。




「これがダンジョンか?」


そのダンジョンから、キラたちが出てきた。

何処かで遊んでいるのかと思っていたのに、ダンジョンにいたのか・・・


『もう全てを討伐したよ』


成る程、討伐した奴の魔石は食って良いと言った。

賢い奴だ。


案内されるまま4階層のコア前へ着いた。

魔石で打ち壊した。


ダンジョンは消えて、地上にワープしていた。




前線基地へ帰ると、大歓迎された。

取りあえず衛星無線で知らして、ここに来るまでに用意したのか中華料理がテーブル一杯に並んでいた。


1人で食える量じゃなかった。

それでも食え食えと進めるものだから、Boxへどんどん収納しまくった。


驚きながら次々に料理が運ばれた。

それらもどんどん収納。

そして、ここで一泊してしまった。



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