第34話グリーンランド
今度は南極の反対のグリーンランドにいる。
このグリーンランドは、世界最大の「島」で、オーストラリアが世界最小の大陸である。
普通に地図を見ると、グリーンランドの方が大きく見えてしまう。
北極と南極の付近は、地図にする為に無理やりに引き伸ばした結果らしい。
しかしグリーンランドは、海岸沿い以外は氷に包まれている世界だ。
俺が聞いた話だと、人口57875人。住むには厳しい環境なのだろう。
そのグリーンランドに異変が起きたのも、南極と同じように1週間前からだ。
なにやら住民の行方不明者が続出している。
10人、20人、でなく1620人が行方不明であった。
あくまでも確認された数で、もっと多いかも知れない。
それは長い夜に起きる現象だった。
まさに住民は、夜も眠れないまま大勢が集まって、夜を過ぎるのを待っていた。
残っているのは、難民申請を待っている住民と、避難船が来るのを待っている住民だけだった。
その数は5012人。恐怖に耐えていた。
ここの顔役だろう人物が「大丈夫ですよね」と何度も聞いて来るので、呆れてしまった。
仕方なく「今晩は寝ずに外で見張ってますよ」と言うと、安心して帰った。
そんな言葉で安心してしまうのか・・・
そんな残っていた住民に聞いても、わけも分からないと言うだけで、何も収穫はなかった。
俺の話より自分自身の命が大事なのだろう。
中には
なので大勢いる住民から離れた位置で、今か、今か、と待ち構えて居た。
空にはキラらたちが探索中で、海には蛇タイプのラグが
ブラックとダークも嗅覚をかぐように指示している。
なにげに見ていた先で違和感を覚えた。
ブラックとダークも感じたのか、
『
そう言い放って、ブラックとダークは駆け出した。
9メートル先で戦っている。どうも相手の数は多い。
ブラックとダークは、防戦ばかりしている。
右、左にかわして、後ろからの攻撃もかわしている。
猪ノ丸・ブブカ・ザザを次々に召喚してゆく。
猪ノ丸とブブカの両名は、物凄いスピードで突進して
凄い爆音がした。
氷の上に落ちたのは、長い毛でおおわれた2メートルのサルタイプだった。
胸に傷を負っていて、しばらくして消えてしまった。
空からの助けも借りて、数を減らし続けた。
ザザの水斬が2体のサルを切断。空中から襲ってきたサルを爪で斬り倒した。
逃げた数は20体。
「ガス、後を追え」
『分かったよ、主』
「ここに奴らが入ったのか?」
『そうだよ主殿』
それはダンジョンだった。
俺らは、そのダンジョンに入った。
しばらく歩き続けた。何も出て来ない。
広い空間に出た。その空間の奥にサルたちが居た。
すでに乱戦になって、めちゃくちゃ状態だ。
しかし、力の差は
瞬く間に倒し尽くした。
生まれたてのサルが1匹だけいる。
『主殿、どうしますか?』
生きたまま連れ帰っても、実験台になるだけだ。
「殺せ」
この空間の奥に、階段があった。
「行くぞ」
居たたまれない気持ちで、階段を下りた。
牛程の豚に長い毛が生えた奴だった。
ブブカはワンパンチで仕留めていた。
猪ノ丸も負けじと頭突きをかました。強烈な頭突き3メートル後方まで飛ばされ。
順調に倒し続けていた。
『主殿、階段です』
3階層へ階段だった。
「急いで行くぞ」
『早速、行きましょう』
のっぺりとした白い怪物が居た。4本足で迫ってきた。
ブブカがパンチをかました。ぐぐぐっと踏ん張っている。
2発、3発、4発でようやく倒した。
『なんて奴だブー』
俺は、その怪物を覗き込んだ。
顔らしい部分には、口も目もなく耳らしい位置に小さな穴が開いているだけだ。
あ、消えてしまった。
何度も何度ものっぺりをたおした。
たまに黄色くなって光ると、のっぺりから電気が四方に放電してくる。
それさえ気を付ければ、楽勝だ。
『主、階段を見つけたよ』
見つけたのは、ガスだった。
「行くぞ」
曲がりくねった先に進むと、広大な空間が広がっていた。
天井には無数の赤く光る眼がいる。
『なんか気持ち悪い』そう言うのはガスだった。
キラが斬撃を放った。
それを合図に、魔法攻撃が召喚獣によって放たれた。
無数に落ちてきたのは、赤いクモで足が異常に長い。
ブブカがクモの糸に掴まった。
糸は赤クモによって巻かれていた。ブブカは
『助けてブー、切れないぞなブー』
ザザが水斬を放ったが、斬れなかった。
その糸に向かって魔法攻撃が集中、一気に大爆発が起きた。
ブブカも地面に叩きつけられていた。
『痛たたたーーブー』
あの大爆発で赤クモは全滅してしまった。
無数の魔石がそこらじゅうに落ちていた。
「魔石を食っていいぞ」
その一言で、召喚獣は食いまくっていた。
あの痛がっていたブブカも起き上がり、食っている。
かれらをほっといて、コアに近づき魔石で叩き壊した。
キラキラと壊れ散った。
「終わった」
あ、久し振りのレベルアップだ。
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