第25話惨劇の痕跡
マイアミ国際空港に滑り込むように着陸した。
迎えてくれた軍人達に、うながされながら軍用ヘリに乗り込む。
搭乗していた外交官の話だと、キューバは音信不通状態。
アメリカに居るキューバ人からの情報では、怪物による
動画でもキューバ軍が、見えない怪物によって壊滅していく場面が幾つか有った。
兵隊が飛ばされているシーンや、車両が押し潰されるシーン。
そこには怪物は映っていない、
そして日が経つに従い、その情報源が減少していった。
レッドドラゴンの件で色々と情報収集はしていたが、5日前から急変したらしい。
それにともない偵察と救援目的で、何度か偵察作戦が実行された。
しかし、連絡がないまま消息を絶ってしまった。
なので今回は俺の番らしい。
俺の行き先は海上に浮かぶ空母で、そこで偵察ヘリに乗り継ぎキューバ上陸するらしい。
偵察のジェット機が何機も帰って来なかったからだ。
今回も偵察と救援の護衛が目的で、今海上からの上陸作戦が実施中らしい。
見えてきた海岸、しかし遠くの街並みだっただろう街から黒煙が幾重に空へ昇っている。
海上から乗り込む兵隊を眼下にして、軍用ヘリは先へ進む。
道路の開けた場所へ、軍用ヘリが徐々に高度を下げていく。
すぐに軍人が飛び降りて行く。
俺は最後に降りながら周りを見渡していると、小隊長が激を飛ばす。
そして指示する方向へ小走りで進む、戦闘服を着込んだ外交官が「行きましょ」
「そうだな」と答えて歩き出した。
街は
崩れた壁下に死体が幾重に重なっている。
どうやら集めた
撮影隊は淡々と撮影している中で、潰れた車両下は赤黒く
そしてどこもかしこも死体が見えていた。
海上から来た兵隊が、死体を確認している。
5、6人の兵隊がスペイン語で「誰か居ないか、助けに来たぞ」と呼び掛けている。
俺は魔石召喚をする。
大ガラス
名:ガス
レベル 4
HP1000/1000
MP800/800
スキル
俊敏 回避 隠密
魔法
風魔法3
ガスなら普通の大きなカラスに見えるので召喚した。
もっと召喚したいが大ガラスの魔石は、ガスしかなかった。
他の召喚獣だと、怪物として認識されて攻撃される率は高い。
なのでガス1匹で我慢して放った。
「ガス、警戒して生存者が居ないか探してくれ」
しばらく旋回して『いってくるよ』と言って行ってしまった。
ガスを撃たないと思うが、念を入れて外交官に近づいた。
外交官にガスの事を、主だった者に知らせるよう頼んだ。
街に前線拠点が設置されて、テントが幾つも見えていた。
死者3102人・生存者0人、今日確認されたものだった。
ドローンでの情報収集も、この街と同じで風景が映し出されていた。
そして1夜をここで過ごす事に為った。
午前10時23分、ガスが襲われた。ここから30キロ先だ。
風圧を感じて回避したらしい。そして逃げたフリをして、その怪物を監視している。
ガスは隠密を発動して、姿をくらましていた。
相手は見えないが攻撃された事で、その存在を感じているらしい。
俺はその事を報告、アメリカ本国に連絡され、1時間後に討伐要請が出された。
俺と外交官と撮影班2人が乗り込み、飛び立つ軍用ヘリ。
ガスが旋回して『ここだよ』と居場所を知らしている。
俺は遠くで確認して、着陸の指示を出した。俺だけ残して軍用ヘリは飛びたってしまう。
そして遠くから奴を鑑定して発見した。
ギガスライム
レベル 5
HP20000/20000
MP800/800
スキル
物理攻撃無効 溶解
魔法
雷魔法1
弱点
火
新たに鑑定に弱点が追加された。
そしてコイツの悪意が俺の意識に流れ込んだ気がする。
鑑定の感度が上がったせいかも知れない。
コイツは子供並の知識が有った。人を殺す事に快感を感じていた。
そして人間が発する思考意識で人間を探していた。なので夜間は襲えなかった。
人間は寝るからだ。
そしてコイツには眼がなく、思考意識を探索して恐怖を感じる事が生きがいだった。
もしかすると触ったりする事で、意識の共有をしていたのかもしてない。
嫌々変な事を考えるのは止そう、戦闘に集中しよう。
俺は2体のレッドドラゴンとギガレッドドラゴンのドラ丸を召喚。
「あの位置を中心に、三方向に分かれてブレス攻撃だ」
『わかり申した』
『わかった』
『うん、わかった』
ギガスライムを中心にしてトライアングルの位置に、浮かんだ状態からブレス攻撃が始まる。
ギガスライムが気付いた時にはもう遅かった。
俺の炎の球も連発して放った。
しばらくして「止めろ」と指示をだす。
焼きただれた地面に水魔法で水を出して、冷やしていく。
水溜りの上を歩きながら探していると、見つけだした魔石。
赤黒く輝いていた、今まで見た事が無い魔石だ。
近くに軍用ヘリが降りようとしている。
1体づつに魔石2個を褒美にあげては魔石に戻してゆく。
最後になったドラ丸が『主殿、もっと召喚して下さい』と言ってきた。
「分かった。今度召喚する」と言いながら魔石に戻した。
戦いは終わった。
この国は今後どうなるのだろう、生きている人は居るのだろうか。
軍用ヘリに向かって歩き出した。
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