第22話討伐要員育成プログラムⅤ
ビルの無念を思ってかスコットが、ビルの故郷のコア攻略を提案して来た。
ビルもその思いがあったのか、「お願いします」と頭を下げている。
「仕方ないわね。こんなことはこれっきりよ」
「それは分かっています」
空港から車を飛ばし、ビルの故郷の小さなまちだ。
ビルの帰宅は、瞬く間に小さなまちに広がった。
もともとこの辺に現れた怪物は進化タイプは居なかった。
そのせいで、まちの人のレベルも低いままだった。
なのでまちの人も行くと、大勢が集まったが断った。
それにダンジョンは、大勢が入るとかえって邪魔だった。
そこから例のごとく、キラ達に乗って地下ダンジョンへ彼女の誘導で向かう。
近くまで何事もなく辿り着けた。
地下ダンジョンは草むらを掻き分けて、悪戦苦闘しながら程無くぽっかりと穴が有った。
ビル「こんな所に有ったのか?」
「そうだな、隠れるように存在していた。ずる賢いコアだ」
そんな思いをしながら、地下ダンジョンに潜っていく。
俺達が討伐して、ノーマルはビルとスコットが討伐。
ビルの剣筋は凄さを増していた。2体同時に切裂いても剣の速度は落ちなかった。
スコットも風斬りを2発同時に、発射出来るように為っていた。
今回の目的はビルに、新たな力である職業を付かせる事だ。
例の廃墟ビルで討伐要員育成が明日から始まる。
これは急遽決まった事で、俺達以外のA育成チームが上手く行っていないのが原因。
本当はA育成チームが、育成している動画を撮る予定だったが。
又もや負傷者をだして撮影不可能に為ってしまった。ちなみに俺達はEチーム。
今討伐要員宿泊施設には、討伐志願者20人が宿泊している。
新たにトレーニングジムが作られ、そこでトレーニング中だ。
トレーニングトレーナーは「明日までには、しっかりと鍛えます」と言っている。
「いやいや、疲れたら困るだろ程々に頼むよ」
やはりレベル1の怪物は弱かった。
順調に討伐して程なく目の前にコアが光っていた。
突然に大きな角の生えて狼が出現。
俺達を襲いだした。
彼女の結界が、ビルを守った。
ビルは何を思って見ているのだろう。その眼光に怒りの感情は無い。
腹の底から響く声で「ハァーア!ヤーー」と叫んだ。
走り出したタイミングと同時に、大剣を横一文字に切裂いた。
狼が裂けていく。そして消えていった。
下に落ちていた魔石を拾い、思いっきりにコアに思いをのせて叩き付けた。
コアは砕け散った。
そしてゆっくりと戻って来た。
「職業は幻影師です。ありがとう御座います」
頭を下げるビルがいた。
それは相手に幻影を見せ音も聞かせて、居ない相手と戦わせる。
初歩的な使い方らしいが、レベルを上げていけば色々出来な気がする。
早速ニューヨークへ戻ろう。
スコットにも機会をみて、コア攻略をさせる積もりだ。
撮影チームはトレーニング中の志願者にインタビューをしている。
そして今回潜る3人が自己紹介をしていく。
その次がビルそしてスコット、又戻ってビルが討伐要員育成についての説明と質問に答えている。
地下ダンジョンに行き撮影チームが撮影をいている。
俺と彼女は、その撮影チームを守る役目で同行する羽目になった。
地下ダンジョンの穴を入念に撮影され、徐々に周りの廃墟を撮り続ける。
カメラマンが、撮影しながら説明している。
ビルが先頭に潜り、育成者3人が後に続きスコットが最後に潜った。
その後を追うカメラマンと照明係、カメラマンが撮影チームのリーダだらしく。
手で合図している。
残りの撮影チームが「大丈夫かしら」
「大丈夫だよ、強そうな人も居るし」
撮影チームの後を俺達2人が続く。
彼女は肩をすくめて微笑んでいる。
ビルが怪物を捕まえて、志願者に討伐させている。
それを撮影するカメラマン。
ダメージを与えていないので時間が掛かっている。
居た堪らない照明係が後で嘔吐している。
「何やってる照明!照明が当たってないぞ」
討伐がやっと終わった。
ビルに近づくカメラマンは、こそこそと話していた。
「泣いても、叫んでも討伐出来れば合格だ」
初討伐を終えた女性に、ほめているのかけなしているのか分からない言葉を投げかえている。
ビルはそんな性格なのかと思ってしまう。
俺が照明機器を担いで後に続く、彼女は照明係の背中を摩りながら。
「大丈夫これ飲むといいわ」酔い止めとペットボトルを渡す。
志願者に2体ずつ討伐させたので、ビルが討伐するようすを見せていた。
一刀両断にされるゴブリンが呆気なく消えていく。
次に現れた大ネズミが素早い動きで向かってくる。
スコットの風斬りが大ネズミ2体を切裂く、そして消える。
「さあ本番だ。3人が協力してもいいから討伐だ。危ないっと思ったら大きな声で言え、即助けるから」
そんなやり取りを撮り続けるカメラマン。回復した照明係も必死に照らしている。
やって来た大ネズミ「こいつは、噛まれると麻痺するから気をつけろ」
一気に仕掛ける短槍持ちと、それに続く盾と剣持ちが襲う。
盾で頭ごと押さえつけて、剣で突き刺していた。
腹には、短槍が食い込む。近距離から炎の球を発射する。
危険らしい問題も無く、大ネズミは消えていく。
18体討伐して、志願者の精神的疲労が溜まっていた。
「今日はここまで、地上に戻るぞ」
志願者達もホットしている、足取りに余裕が出てきた。
地上に戻りと誰も居ない。
「残留の撮影チームは何処へ行った」
「彼らは地下鉄の残骸跡を撮影しに行っているよ。色々と参考に為るからね」
「撮影はこれで終わりかね」
「明日も討伐するなら、それも撮りたい頼むよー」
「ビル、明日も撮影だスコットと2人で大丈夫か」
「大丈夫です」
「俺達は数名を例の所で、討伐する。何か有れば、補佐官ゲイツに連絡するように」
「了解」
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