第19話討伐要員育成プログラムⅡ




マリリンを目の前にして、俺から話を切り出した。

「今回、彼らを使って討伐要員育成プログラム(仮)を試した。何故試したかは、ダンジョンコアに対しての不安です。その必要性として、今後ダンジョンコアの成長とリンクして怪物も成長していく。それに対処する人間も、成長しないと対処出来なくなると、俺は考えています」


マリリンは、複雑な顔して俺を見ていた。

今度は、彼女が話しかけた。


「外からのダンジョンへの攻撃は無効化され、最悪大変なしっぺ返しが起きます。それは強力な怪物1体が地上に現れる現象です。なので人間が行くしかない事はあなたにも分かっているはず。そもそも地下ダンジョンは、地球とつながっていない亜空間につながっているのよ」


「え!その情報は、初めて聞く情報・・・」


「わたしと彼はコア攻略を何回もしているのよ、ビジョンが漏れ伝わって沢山の情報を手に入れていても不思議ではないの」


そうなんだ。色々と経験を積んだんだ。


「そうですか」


「人間が強くなって、集団を作らないと10年後の怪物に絶滅ぜつめつされるわ。それがわたしが見るビジョンよ」


「初回クエストをクリアした、俺しか感じない悪意有るダンジョンコアの『ダンジョンコアコアの殲滅せんめつ』にはそんな意味も込められています。今は、これ以上に上手く説明出来ないが・・・・」




「今の情報で理解しました。そのプログラムを暫定的ざんていてきに進めて下さい。わたしの権限で承認します」


思いつめた表情で、感情を殺した言い方で言い出した。


「大統領も賛成してもらえるでしょう。補佐官、君が責任者として管理するように」





ゲイツが案内した部屋でプログラムについて話し合った。

・育成者の志願者を20名を集める

・討伐要員の育成拠点の選出

・育成方法のマニュアル化

暫定的に進める為、問題発生時にはそのつど解決する事で決まった。




ニューヨークに戻って来た。

地下鉄以外にも、コアの存在が分かっていたから来たのだ。


ニューヨークには、もう1つのダンジョンコアがあった。

アントの出現で、影に隠れた存在だった。


今は荒廃しているが、このダンジョンを管理していれば、今後被害は出ないだろう。


すぐにこのニューヨークは、復活するだろう。

そうなれば交通の便も良いし、衣食住に何の問題も無さそうだから育成拠点に選んだ。


この機会に、地下鉄は最新システムを導入することとなった。

今までは旧システムだったが一新いっしんされるのだ。




廃墟ビルの壊れた壁から中に入っていくと、床に大きな穴が開いていた。


俺達はその穴に入っていった。


「ここは、良いかも知れないわ」


「どんな風に良いのかな」


「迷宮の大きさも2キロ程だし、進化タイプも居ないわ」


「それなら地図作成と怪物の事を調べて、コアだけ残して怪物の殲滅せんめつとデーター取りだな」


「怪物を倒してどれだけの時間経過で復活するのか、どれだけ出現するか調べないといけないわ」


2人の意見は一致した。




最初に現れたのは、ゴブリンだった。


ゴブリン


レベル 0


HP10/10

MP0


スキル

敏捷


「ゴブリンの弱点は、頭・首・心臓で良いかな」


「それで、いいと思うわ」


次に現れたのが大ネズミ。


大ネズミ


レベル 0


HP10/10

MP5


スキル

敏捷


魔法

毒魔法


「大ネズミの弱点は頭、噛まれると毒に侵される」


「それってどんな毒なの」


「神経が麻痺して体が動けない。例えると全身麻酔で意識はある」


「それって怖すぎる、痛みは無いけど食べられるって恐怖よ」 



コア近くでは、スケルトンが現れた。


スケルトン


レベル 0


HP15/15

MP2


スキル

俊敏


「スケルトンは頭を壊すのが弱点だ」


「それ以外は中々消えない、徐々に破壊された部位が復元してしまう。それでいい」


「ああ、それであっている」




今日も廃墟ビルに潜る。


何度も潜って、怪物の復活を確認していた。

彼女の千里眼を使って、24時間を費やして以上のことが分かった。


名前    24時間で復活する数  1体が復活する時間 

ゴブリン    10体       2時間24分

大ネズミ     5体       4時間48分に

スケルトン    1体       24時間


個体数と復活時間が確認できたので地上に戻った。



すると腕輪が鳴り出した。何、あれ、おかしいな。

取上げられて「何してるの、これはこうでしょ」

こんな訳も分からない通信手段を渡されて、読めない説明書でどうしと言うのだ。



ゲイツからの連絡では、海兵隊ケントの紹介で2人が来ていると連絡が入った。

折角なのでその2人と一緒に、車で迎えに来てくれと頼んだ。



車が迎えに来たので、乗り込んだ。

その2人は、3列目に座って会釈えしゃくしてきた。

俺は手を上げて、軽くうなずいた。

彼女は笑顔で、後ろに向き握手をしている。

なにやら会話している。


「例の所へ」それにうなずきゲイツはアクセルを踏み走り出した。



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