第15話新たなる挑戦に向けて




このダンジョンを攻略する前に、地上に居た怪物を始末しておいた。

残すはコアだけだ。


ブラックとダークが先頭に陣取り、天井近くにキラとレッドがホバーリングしている。

後方防衛にドクロ、それが俺達パーティ編成で進める地下攻略。


地下ダンジョンは天井が高く、思っていた以上に広い。



あれから10日が経ち、ダンジョンコアは地下1階に転移した。

今回が始めての地下ダンジョンの攻略になる。



今までで12件のコアを攻略したことになる。

後半はハードな日程で攻略したが、思ったほど攻略できなかった。

世間に隠れての移動だから仕方ないのかも知れない。



「その分岐にスケルトン3体が隠れてるわ」



レッドが先行して1体に火の球を発射して討伐する。


遅れてブラックとダークが残りのスケルトンを襲い、頭部を噛み砕いた。



スケルトンは、出現したてでレベル0だった。


佐々木さんの話だと3キロ近い地下迷路らしく。

指示に従えば、1時間後にはコアにたどり着くだろう。


次々と現れる怪物はレベル0で、召喚獣の相手ではなかった。



ついに目の前にコアを見る事が出来た。


俺が魔石で砕くと、少し目眩がしたが気がつくと地上に居た。

俺達召喚獣を含めて地上に強制転移されたのだ。




「地下ダンジョンは消えたようね」


ぽっかり開いた穴が無かった。


「案外弱い怪物しかいないダンジョンは、攻略しやすい気がする」


「次のダンジョンに行きましょう」




町中を歩いている最中に、彼女が急に立ち止まった。


「ちょっと待って。わたしの千里眼が、危ないことを知らしてくれているわ」


その言葉に、俺も危機感を覚えた。


「私達の正体が警察に知れてしまったわ。東京駅のコンビニに映った映像が切っ掛けみたい」


「・・・・・・」


「あの時期は、余り警戒していない時期だからか・・・それで警察は、どうするか分かったのかな」


「コンビニの商品を窃盗した罪で逮捕するらしいわ」


「あの時、レジ前に5千円置いたはずだよね」


「その映像は、無かった事にするみたい」


「そんな事してまで、俺達をどうする積もりだ」


「コア殲滅せんめつの駒として、使いたいみたいだわ。東京の被害が他国の都市より少ないのが原因よ」


「それなら、最終行動しかないのか?」


「それしかないわ」


俺たちは、最悪の場合も想定して考えていた。





俺達は、東京のとあるホテルの部屋の前でノックした。

ドアが開き、目の前の男性に「電話で話した青木です」


中に入ると壮年の男性が二人居た。


「座ってゆっくり話そう」


俺はスマホをテーブルに置き「配信した動画の無修正が入ってます」


「電源を入れると、警察に知れるので気をつけて下さい」


最初の男性がスマホを取り、部屋から出て行った。


俺と彼女は今までの経緯を話していく、幾つか質問も答えた。




地下駐車場へエレベーターで降りて歩くと、黒のワンボックスカーが待機していた。

俺達が乗り込んむと、運転手との間の仕切りが下ろされ。


外がまったく見えなくなった、4時間以上走っただろうか。

ようやく外に出られたが、すっかり暗くなった飛行場に居た。


そのままプライベートジェット機に乗せられて飛び立った。


8時間弱の飛行で要約着陸体制に入った。


「レッドドラゴンが来るわ」


スピーカから緊迫した声が聞こえた。

壮年男性は、驚きを抑えながらコックピットへ向かう。


もう一人の男性に「後どれくらいで着陸できますか」


「そうですね10分くらいかと」


「レッドドラゴンは、後どれくらいでこっちに来ますか?」


彼女が突然さえぎり、話し出した。


「15分かしら。あのままのスピードだと・・・」


男の顔が、驚きの顔になっている。


「着陸後、こっちで対処します。なのですぐに出れる準備をして下さい」


「出来ますか」


「出来ます。やるしかないでしょ」


止まった瞬間に、ドアから飛び降りた。


空を飛べれる10体を召喚する。召喚されるや飛び立ち遊撃に向かいだした。

10体から魔法による集中攻撃がなされた。

あの魔法混合で大爆発が起きて、レッドドラゴンの片翼がげた。

レッドドラゴンは高度を保てなくなり、螺旋らせんを描きながらほとんど垂直に降下した。

飛行場の中央に「ドスン」と音を響かせて地面も揺れた。



俺はドクロを召喚した。

佐々木さんは、ドクロの大剣に結界でのコーティングを施す。


「行ってやっつけてきなさい」


『分かり申した』


ドクロは、あ!と言う間にレッドドラゴンの近くに到着。

大剣で下から首を斬り上げながらジャンプ。

しばらく首なしレッドドラゴンは動いていたが、急に動きが止まってしまった。

そしてレッドドラゴンが消えた。消えた跡から魔石を拾い、ドクロは帰ってきた。



そんな避難中だった者が、避難途中で映像に撮っていた。

そのかたわらでは、男が拳銃を構えて居た。

そして終わったことに気付き、あわてて拳銃をホルスターに戻した。

バツの悪い表情をしている。



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