第14話山奥での出来事




暗くなった山を「ミシ、ミシ、バキッ」と木を折りながら、道なき道を進むオロチ。

その後を、猪ノ丸が前足で階段のような段差を作ってくれている。


「猪ノ丸は、かしこいわね。ユウもめなさいよ」


何を言っている。俺が命令したからやってるのに・・・


「後どれくらいかな」


「そうね・・・2キロ先かな・・・そうとうな数がうじゃうじゃいるわ」


「そんな数なのか・・・お前たち、十分に気を付けろよ。いつ襲ってくるか分からないぞ」


『分かっておりますぞ、主』


ドクロが鎧のこすれる音を出しながら言ってきた。




そうとう数が、気配として感じられる。

闇夜に小さな物が無数に赤く光っていた。


先頭に居たオロチが襲われた。それは、30~50センチのクモだった。

白蛇だったオロチが黒蛇化している。

オロチは、突然体を回転させて「ブチ、ブチャ、ブチ」とクモを潰しに掛かっている。


空にいたキラ・レッド・カータ・シュートも魔法攻撃を放ち始めた。


ドクロは、オロチの回転に巻き込まれないように、遠回りしている。

それに続くように、猪ノ丸・ブブカも後に付いてゆく。


しかし、ブラック・ダークは上手くかわしながら、クモに到着。

ジャンプしながら踏みつけていた。

しかし多勢たぜい無勢ぶぜいで、クモの糸に絡まって身動きが出来ない。


俺は、火球を放ちその糸を燃やそうと思った。

着弾して糸を燃やすことが出来た。


戻って来たブラックとダークは、まだ糸が絡まり動き難そうにしている。

俺と彼女で毛に絡まった糸を引き剥がす。


『痛いぞ、主』


「文句を言うな。先走ったお前らが悪い」


「そうよ、痛いけど我慢しなさい」


「それにしても、お前らは魔法を持っているよな。何故使わない」


『使う前に、体が勝手に向かってしまうので・・・』


『主、おれらは接近戦派なんだよ』


「いいか、ここで魔法攻撃をしろ。命令だ。ザザを見ろ、あそこで魔法を放っているぞ」


『わかったよ』




「もうじき終わりそうね」


「そうだな」


突然、何かに拘束された。そして引張られる。

寸前で俺の足をオロチがくわえた。

上を向くと、巨大なクモがアゴを開いて待ち構えて居た。


子グモをおとりにして、気配も消してしのび寄って来たに違いない。

力を込めて引き千切ろうとするも、千切れない。

体に火を発火しようとするが、何かに阻害そがいされて魔法が使えない。


「どうにかしてくれーー」


そこへドクロがジャンプして、剣を振り下ろした。

何故だか知らないが、糸が粉々なっていた。

そのままオロチに引張られて、地上に落ちていた。


巨大グモは悔しそうに「クシャーー」と鳴いている。


俺の存在が盾で、攻撃出来なかった召喚獣が一斉に攻撃魔法を放った。

水魔法や風魔法や黒魔法が混じり合って、大爆発が起きた。


寸前に水の盾を展開して、俺達には被害がなかった。

混ざると大変なことになるらしい。使う時は注意が必要だ。



「ドクロ、ありがとうな。魔石を多めにやるからな」


『当り前のことをしたまでです』


回収した魔石を分け与えた。


ダークとブラックは、罰として1個ずつだけだ。

ドクロとオロチは、50個ずつだ。

そして美味そうに食っている。

ドクロは、歯で魔石を砕きながら、口周りは淡く光つつ食っていた。

眼球のくぼみや鼻穴から光りがもれて不気味だった。


オロチは一口で飲み込んでいた。



「じゃー、コアを壊しに行くわ」


そう言って、魔石を握って遠くに光るコアへ走り出した。

遠くの光りが、消えたことが分かった。

そして、彼女が帰ってきた。



佐々木理華子


レベル 23


職業:結界師5


HP300/300

MP800/800


スキル

千里眼 俊敏 回避 


魔法

回復魔法MAX 黒魔法MAX new土魔法



「コアが地下にゆくまで、あと2時間だって。取り残された怪物は、好き勝手にするのかしら」


「本能のまま、人を襲うだろうな・・・今まではコアがあったから、そう遠くまで行かなかったが・・・空を飛ぶ奴なら行動範囲も広くなるだろう」


「自衛隊も頑張ってもらわないと・・・」



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