第12話那須塩原




暗い中、スマホもつながらない。


「ここって何処・・・」


「千里眼でも、場所は分からないわ。コアなら距離と方向は分かるけど・・・あとは東京の方向と距離は何となく分かる気がする」


「あと2時間で日の出の時刻だから、飛んで行ける所まで行くか?」


「それなら、次のコアへ目指しましょう」


「え!まだあるの・・・」


「そこが終われば、関東方面は終わりだから」


ハンモックのロープを取り出して、広げてから準備をしてから座った。


「カータとショート、頼むぞ」


カータとショートはロープの端を掴んで、舞い上がった。

彼女も遅れて舞い上がった。


「こっちの方向に飛んで」


『わかった』


カータとショートも、分かっているように彼女の後を追尾しだした。




明るくなる前に、彼女の指示で道路に着地。


「車が来るわ。早く召喚獣を戻して」


急いで召喚獣達を魔石に戻した。

そして道の脇により、ロープやフルハーネスを収納。


2人の横を軽自動車が走り抜けて行く。


「もうすぐなのに、何故、急に着地をしたんだよ」


「空から行くのが、急に危ないって感じただけで、わたしにも分からない。だけど信じて」


「分かっているよ、この道を進むのか?」


「少し方角が違いけど、だいたいこの方向だわ」


しばらくして『塩の湯温泉』の看板が見えてきた。


「ここって、栃木県那須塩原なのか? 距離的にはどのくらい先にコアがいる」


「えーと・・・直線で5キロ先で・・・あの山が見えるでしょ、あそこにあるはず」


「道路がないな、仕方ない真直ぐ進もう」


「それしかないわね」


彼女が先導して走りだした。


1キロは進んだろう、急に立ち止まった。


「1キロ先に怪物がいるわ。空を飛ぶ召喚獣は、やめた方がいい」


彼女の忠告を聞き。

俺は、魔石召喚獣を召喚してゆく。

オロチ・ザザ・ブラック・ダーク・猪ノ丸・ブブカと最後に髑髏騎士どくろきしのドクロを召喚。


「警戒して進め!遠距離の魔法を使ってくる恐れがあるから気をつけろ」


『分かり申した』


『わかったよ』


警戒しながら近づくと、ダークはひらりと横に移動。

そのダークのいた所に、「ドスン」と音がして穴が開いていた。


「気をつけろ!狙われているぞ」


目の前の木に穴が開き、俺の頭上を通り過ぎた。

後ろの木に、黒い物がのめり込んでいた。20センチ程の玉だった。


オロチはにょろにょろと進み、黒い玉を跳ね返している。



猪ノ丸も走り出して、飛んできた玉を手で掴んで、投げ返していた。

「ドン」と土煙が舞い、ワームのようなものが空中に舞っている。

ワームに似ているが、全長は約3メートルで直径は60センチぐらいのものだ。

そして、口のようなものをもぐもぐしている。

その口から発射していた。


「600ぐらい居るわ」


「そんなに居るのか・・・」


俺は水魔法で水の盾を展開して、あの玉に備えた。

その備えた瞬間にあの玉が当たって、地面に落ちてきた。

ああ!危なかった。


「佐々木さん、俺の後ろに隠れて」


「ありがとう。隠れさせてもらうわ」


召喚獣は玉の攻撃を、かわすか跳ね返すのどっちかだ。

そしてワームの最大の弱点は、動くのが遅いことだ。

だからコアの近くでうろついていたようだ。


勇猛にブラックは、噛み付き引き千切っている。

そのブラックを狙うワームに、ドクロが斬り倒している。

そしてドクロに発射された玉を盾で防いでいだ。


『バカどもが、そんなもので倒れんぞ』


そんなセリフをはいて、又も盾で玉を防ぎながら走り出した。

ワームの口に剣を突き刺して、一気に引き上げて紫の血を浴びている。


「なんだ、こんなものか、わははは・・・」


ザザは、俺の近くで水魔法の攻撃を放っていた。

その水球が玉を打ち落とした。

どうやら俺を守っているようだ。


ブブカはワームを掴んだまま、地面に何度もぶつけていた。

ぐちゃぐちゃになったワームを捨てて、次のワームを捕まえている。


ダークもワームを襲い倒した。

口の周りを紫に染めて、周りを見ていた。そして駆け出した。

その先にいたワームは、地中にもぐろうとしている。

しかし捕まって、体ごと食い漁られている。


俺は、スキを見ては、水斬すいざんを放っていた。

その水斬は見事に、ワームを斬り裂いた。

何度も何度も放った。


オロチがワームの集団を蹴散けちらかしていた。

そうなると、周りの召喚獣によって倒されるスピードが上がり続けた。




コアを目の前にしていた。


「魔石召喚獣を増やしたいから、もう1度俺にやらしてくれ」


「いいわよ。今回の戦いには、あまり役に立たなかったから」


「次回は、佐々木さんにするから」


「気にしなくていいわよ」


役に立ってないから、気にしているみたいだが、ここは譲れない。

手に持った魔石をコアに叩き付けた。

その瞬間に壊れた。


青木優


レベル 24


職業:魔石召喚師6


HP410/410


MP1250/1250


レアスキル


Box


スキル


鑑定 敏捷 回避


魔法


火魔法Max 水魔法3



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