第11話新たなコアへ向かって




長距離用に作ったハンモックの股下またしたから、都市の明かりが消えて20分が経過した。

前方に明かりが見えてきた。

ようやく津軽海峡を越えることができる。



「カータ、右後方から風が入り込んでいるぞ」


『すまないあるじ、いま魔法を強めたから・・・』


「うん、この状態で頼むぞ」


『わかった』


カータは、俺に冷たい夜風が当たらないように、風の防風を展開してくれている。

風の防風がないと、寒くて堪らなかった。

それにつけても風魔法は便利だなーと思った。



しかし、ここから見える光景を、2人だけで見ていたいと思う。

闇夜の空から見える町明かりは、函館から見る夜景と違って迫力があった。

人に見られないように高度も高いので、2人きりの世界だったのに・・・

きっと良い雰囲気になっていただろう。




今、何処に飛んでいるのか、全然分からなかった。


『主、もうすぐ降りるそうですよ』


「わかった。キラからの伝達か?」


『そうですよ』


徐々に高度が落ちて、ふわりと着地。

着地と同時にハンモックのロープを収納。


彼女の近くによって、同じく収納する。

スマホの光源だと周りには草原だった。

遠くにも明かりが無いので何処か分からない・・・


「5キロ先にコアがあるわ。ここは大丈夫だけど、コアの周りには強敵がいるみたい」


「そうか、総力戦で戦うか?」


最初にオロチを召喚。

魔石が淡く光りだして、光る粉となって巨大な白蛇へと姿を変えてゆく。


『お呼びでしょうか、主殿』


「ああ、少し待っていてくれ」


『分かり申した』


ジェネラルオークの猪ノ丸とブブカを同時に召喚。

2体は、仲良く召喚できた。


アインは、動きが遅いから出すと移動に時間が掛かってしまう。

とりあえずリザードマンのザザを召喚。


まだMPは大丈夫だ。

ダークとブラックを召喚してゆく。


俺が使う火魔法を考えると、限界か・・・


「大丈夫、ちょっと疲れた顔をしているわよ」


「ああ、なんとか大丈夫だよ。それでどれくらいの数なんだ」


「そうね、300は居るわ」


「300か、それも強い怪物か・・・」


「くよくよしない、アンデットもやっつけたでしょ」


「皆、行くぞーー」


『任せてくれ』


『なんとかなるよ』




真っ赤な熊が、ばらけながら迫ってきた。


シュートは、赤熊の背中をがっしりと掴むと、上空高く連れ去っている。

カータは、羽ばたいて斬撃ざんげきを放ち、赤熊の首をねていた。


オロチは、大口を開けて赤熊を飲み込んで、次の赤熊も飲み込んだ。

ザザは振り下ろす爪で、赤熊を斬り倒した。

そしてジャンプして、くるりと回転しながら次の赤熊を真っ二つにしている。


ダークはジグザグに、左右に飛びながら一噛みで、頭部をもぎ取った。




闇夜に眼が光っていた。牛程の大きさのネズミだった。

どうやら警戒して、こっちの動向を見ている。


「このネズミで最後よ」


俺は、そのネズミを見て鑑定していた。


「こいつは、ただのネズミじゃーない。体の毛を針のように発射してくるぞーー」


オロチが強敵と判断されたのか、鋭い針が何百もオロチに降り注いでいた。

オロチには、全然針が刺さらないまま前進して襲い掛かった。

「キューゥ、キューゥ、キューゥ」とネズミの悲鳴が聞こえる。


ブラックは、そんなネズミをくわえて振り回し、他のネズミにぶつけている。

俺も負けないように、火の玉を放って燃やしていた。



レッドはネズミに噛み付き、一気に血を吸って仕留めた。

血を吸って、レッドはパワーアップしている。

赤く光って、動くスピードが速くなっている。

一瞬で、首をかき切っていた。



ネズミの大群に突っ込んだのは、猪ノ丸だった。

ネズミを空中に舞い上げて、突き進み徐々にUターンして、又も突き進みネズミをはねている。


ブブカは捕まえたネズミを、首をひねって仕留めていた。


そして、数が減った。

コアが直線上に開けて見えた、俺は駆け出した。


右から襲うネズミを、シュートが掴んでさらってゆく。

今度は左からだが、黒球が当たり黒くなって崩れた。

後少しでたどり着く。

手に持った魔石で、力一杯に殴り付けた。


コアは砕け散った。


コアが地下1階にゆくのに、後2日と情報が入ってきた。


青木優


レベル 22


職業:魔石召喚師5


HP330/330


MP1000/1000


レアスキル


Box


スキル


鑑定 敏捷 回避


魔法


火魔法Max new水魔法


やっと戦いは終わった。

残っていたネズミは、魔石に姿を変えていた。



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