第10話北海道




佐々木さんは、ノートパソコンの前でなにやら検討しているようだ。

俺は、ニュース番組をただ見ていた。

あまり進展していないコアについて話していた。


「関西や名古屋方面は、やっぱりダメだったわ。四国なら遠回りしてでもゆけそうなのに、やはりダメね。だから千歳空港を予約しておいたわ」


「え、いつ行くの・・・」


「今からよ、北海道のど真ん中に、コアがあることは知られてないわ。このまま放っておけない!」


2時間しか寝てないのに、飛行機の中で寝れるからいいか・・・

あわただしく干していた服を取り込んで、俺は着替えた。


ああ、何処かで服を買う必要があるな・・・


「なにを考えているの、出発するわよ」


サングラスかけてマスクをして帽子まで、深々と被っている。

何処かの女優のようだ。


「そこまで変装する必要があるのか?」


「何処で誰が見ているか分からないわ」


彼女は、謎の女として望遠カメラで盗撮された物が、ネットで流れた。

画質と角度が悪かった為に、正体はばれていないが警戒けいかいしている。

ある事ない事を書かれて、傷ついていた。


何故早く、コアの情報を流さなかったと、一部で炎上している。

俺の事はおまけのような扱いだ。





千歳空港のタクシー乗り場で、タクシーに彼女が乗り込み俺も乗り込んだ。

俺は手に持っていた紙切れを、運転手に渡しながら言った。


「この住所に、行ける所まで行ってほしい」


「え、そんな所へ・・・」


少し変な顔をしたが、タクシーは動き出した。




「帰りはどうしますか? ここら辺は人も居ませんよ。スマホも使えないと思いますが」


「知り合いが迎えに来る予定なので」


「そうでしたか・・・」


タクシーは何度も切り返して、狭い道を引き返した。



「もう大丈夫よ、召喚して。ここの怪物は強くないは、ダークとブラックだけで倒せるレベルよ」


俺は、ダークとブラックを召喚した。

すると佐々木さんは、召喚さてた召喚獣にタッチすると、凄い勢いで走り出した。

俺に挨拶もなしか・・・


「もしかして、魔石を食っていいて、言ったのか・・・」


「言ったわよ、何か問題でもある。弱い怪物だから良いじゃない」


ここで何を言っても仕方ない。

キラ・レッド・カータ・シュートを召喚してゆく。


『ご主人、今日も魔石の褒美を下さいね』


「それだけの働きをしたら、考えるよ」


『ダークには、食わす約束をしているみたいですね』


「何故知っている。それに約束したのは、俺じゃーないぞ」


『主には分からない、召喚獣だけの伝達があるのです』


『ホー、ホー』


あ、ショートは笑いやがった。


「あなた達、早くコアの所へ連れて行きなさい」


バツが悪そうに、俺らを運び出した。

キラは彼女を運び、レッドは俺を運んでいる。

ショートとカータは、周りを警戒して飛んでいる。

先導するのは、彼女だ。


途中で、シュートが大きな鳩を5羽程退治していたが、それ以外見かけない。




山の傾斜けいしゃかすかに光りがもれていた。


「あの上のひらけた場所がいいだろう」


『わかったよ、主』


ふわりと下ろされると、「ぶひぶひ、ぶひー」と叫びながらオークが駆け登ってきた。

しかし、ショートやカータによって、手足を斬り落とされて最後に頭がもぎ取られた。


『これは、ゆずれないな』


『いやいや、それはこっちが言うことだ。最後の頭を取ったのを見てないのか?』


そんなもめ事の最中なのに、彼女が魔石を拾って傾斜を駆け下りてコアを壊してしまた。

「パリンーー」と壊れた音が山にこだましている。


『ああああーー』とショートが叫んでいる。


仕方ない。俺は魔石を取り出して、1つ1つを投げ与えた。

カータやショートとレッドは、上手く受取って食っていた。


キラは取るのをしくじり、ころころと魔石が転げ落ちた。


『なんで・・・』


地面の降り立ち、傾斜をよちよちと下りている。

途中の落ち葉に足を滑らせて、ごろんごろんと転がりだした。


そして、下の方で『あったーー』と声が聞こえてきた。

突然、下の方で木が切り倒す音が響いた。


そしてキラが舞い戻って来た。


『ああ疲れた』


それを見て『ホッホー、ホー』とショートが鳴いている。

あれは、なじっている言葉だと俺は直感した。


そんな場面なのに、ダークとブラックが戻って来た。


『主、たらふく食ったよ』


『味は今一だったな』



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