第7話アメリカの報道




俺達は仮眠後、ようやく昼過ぎに起き出した。

PCで色々調べていた彼女から「これを見て」


俺はのぞくと。

アメリカ政府が、国民と世界に配信した動画だった。


ヘリに揺れる兵士の顔が、一点を見詰める画面から始まった。

しばらくして命令が飛び交う中、急にドアが開き。

覗き込むとコアが小さく写り込む、そして兵士達は次々とロープで降下する。




画面が移り変わり、兵士の背中越しに見えるコア。

銃撃音と共に、見えない結界に弾き返される弾丸。

ロケットランチャーが発射されるも、煙の中から無傷のコアが現れる。


一人の兵士がコアに向かって走り出す、手には魔石が握られていた。

大きく振りかぶりコアに魔石を叩きつけて、その瞬間砕けるコア。


しばらくその兵士は、立ち尽くしている。

二人の兵士が駆け寄り、兵士の体を振起す兵士は正気を戻した。

「本当だった!、あの情報どうりビジョンが見えた」

兵士の顔面がズームアップしていく。



そして、ホワイトハウス報道官の画面に変わる。


報道内容を要約すると。


日本配信の警告文は、事実であった。


それを元にコア位置が確認しだい、強襲部隊を向かわせ殲滅せんめつする。

通常の銃器でも、怪物に少ないがダメージを与えられる。

しかし、レベルアップはしない。

レベルアップした者の証言だと、最後に仕留めた時には怪物の近くに居る必要があるらしい。


科学者の話だと、怪物が消える時になんらかのエネルギーが発生、そのエネルギーに触れる必要があると推測。


それと、怪物の目撃情報を広く求めた。コアの発見が急務と判断された。

後日、大統領の発表があると報道されていた。




「日本の方はどうですか? アメリカ政府のように報道をする予定とかないのですか?」


「後1日は、必要みたいよ」


「何故そんなに掛かるのか、俺には分からない」


「色々としがらみがあるのよ。間違った情報を流したら誰かが責任を取らされるし・・・」



それ以外だと大阪と愛知が、政府に対して猛抗議をしている。

アメリカのように、軍が出動してコアを破壊した事例がないのが原因。

日本で大阪が1位、愛知が2位の死傷者の数を出している。


大阪は地下鉄内に怪物が住み着き、地下に特化した怪物で被害も半端ない。


地下鉄の出入り口を土砂で埋めても、新たな穴を掘り地上に現れて被害を出し続けている。


一般道にも掘られた大穴が、増え始めていた。

自衛隊は討伐隊を出すも、被害だけが増えている原状。

交通網が遮断された大阪は麻痺状態であった。




愛知は、空を飛ぶ怪物の大コウモリと大ガラスによって建物が壊滅状態。


大ガラスは移動する物がお気に入りで、風斬りで攻撃する。


高速道路のトラックや新幹線や電車が襲われた。

一般道の車両も襲われ、道が車両の墓場に為っている。

高速道路上にも壊れた車両が列を成していて、線路上も同じで横転した電車でどうすることも出来ない。

日本の物流は寸断され。



人と建物と交通網の被害を増え続けさせている。

港には、被害が出ていないが、数日には被害が出るだろうと予測されている。

なので船による脱出が止まらない。


住民は他県への避難ルートに、日本海に出るルートをえらんだようだ。

わずかな希望を持って、避難するしかない。




俺達は空の長距離移動を可能にする為。

クライミングロープでハンモック風に編み込んで座れるようにしている。

キラとレッドのコンビで一本ずつ持たせて移動する予定だ。

落下防止に登山用ハーネスも付けている。


なのでカータの相棒も後で召喚予定だ。



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