第6話コアへの急襲②
何体か討伐したと、テレパシーのような感覚で連絡が入ってきた。
しかし、最後の1体に手こずっているらしい。
「佐々木さん、どうやら強い怪物がいるようです。行ってみましょう」
「分かったわ・・・」
2人して駆け出した。
佐々木さんには、どの位置で戦っているのかも分かっているようで、俺を先導してくれている。
普通の速度でないスピードで走っていた。
「あそこで戦っているわ。あ!巨大な白蛇・・・」
ビルの陰から、白蛇がのそりと出てきた。
「怖いのなら、ここで待っていて下さい」
「怖くはないわ、ただ大き過ぎて驚いただけよ・・・」
「そうですか?」
近くで見ると、キラを食らおうと大きな口を開けて飛びついていた。
キラは上手くかわすことが出来た。
しかし、飛びついた勢いは止まらずに、ビルに突っ込み破壊している。
頭をもたげて起きた時には、ビルの3階まで達していた。
そんな白蛇に対して、召喚獣は余りにも小さかった。
空中からのカータの風魔法も、白蛇の頑丈なウロコで跳ね返されていた。
その跳ね返した瞬間に、白蛇の表面がバリアのような物でおおわれていた。
あれが魔法を無効にしてるのか・・・
俺は召喚獣が戦っている最中に、ゴーレムの魔石を取り出して召喚した。
そのゴーレムに、今持っている魔石を全てをつぎ込んだ。
ゴーレムは、もらった魔石を次々に口に放り込み食っている。
徐々に巨大化して8メートルのアイアンゴーレムに進化。
アイアンゴーレム
名:アイン
レベル 5
HP19000/19000
MP500/500
スキル
強化 鉄壁 魔法防御
「アイン、あいつをやっつけろ」
『ワカッタ・・・』
そして、アインが動き出した。
足を踏み絞める度にアスファルトに
迫るアインに襲い掛かる白蛇。
アインは両手を広げると、待構えた。
両者がぶつかり合ったが、アインは白蛇の胴体をガッシリと掴んだ。
そして
その瞬間に、白蛇の体は黒い霧となって消えうせた。
そしてその場には、魔石が一個だけが残っていた。
俺は、その魔石を掴んでいた。
中々な魔石だった。
「白蛇を退治したわね。あれどうしたの・・・」
「あ、御免。考え事をしていた」
「なにを考えていたの」
「どんどん怪物が強くなっていると、考えていたんだ」
「わたし達が、もっと強くなればいいだけよ。後には引けないわ。人類の未来が掛かっているのだから」
俺は腕時計を見た。
「どうしよう。まだ夜明けまで時間がありあまっている・・・」
「警視庁へ行くべきよ、相当な被害が出ていると書かれていたわ」
「分かった、早速行こう」
アインとブラックとダークを魔石に戻した。
俺はキラの足を掴み、佐々木さんはレッドの足に掴んだ。
「飛べ行き先は、警視庁だ。レッドは佐々木さんの指示どうりに行け」
『わかったよ、主』
ばさばさと羽をはばたいて、一気に地上から100メートルの上空に達していた。
そして、レッドが先導して飛行を開始。
綺麗な街の明かりを眼下にして、移動し続けていた。
しかし、ある地域だけが暗闇の世界だった。
電線が切られ、建物も破壊されている。
そして警視庁の建物が見えた。窓ガラスは全てが割られていて、一部は壊されている。
警視庁の前の道路上に、砦らしき物が見えた。
「キラ、高度を下げろ」
俺達は徐々に高度を下げてゆく。
それは、壊された車両を積み上げた砦モドキで、車両のすき間からコアの明かりが見えていた。
その明かりは独特な明かりで、見た瞬間にコアだと認識する物だった。
砦の周りにダークモンキー36体がたむろしている。
カータは空中から、ダークモンキーに対して風斬りで討伐している。
ダークモンキーは逃げ惑い、次々に討伐されていた。
コア近くに降り立った佐々木さんは、俺から破壊用にとっていた魔石を受取った。
その魔石を思い切り叩き付けた。コアはもろく砕けて破壊した。
佐々木理華子
レベル 19
職業:結界師3
HP200/200
MP600/600
スキル
千里眼 俊敏 回避
魔法
回復魔法MAX 黒魔法8
佐々木さんのようすが変だ。何故だか怒っている。
そして目から涙が流れていた。
何故怒っているのか、すぐに分かった。
ダークモンキーがたむろしていた中心に、死体が山済みされている。
そして食い漁った死体があった。
魔石を回収したキラとレッドが戻って来た。
後1時間後には朝日が昇るだろう。
そして、戦いを遠くから見ていた自衛隊が動きだそうとしている。
朝日を合図に自衛隊の強化部隊が雪崩れ込む予定。
佐々木さんが言っているので間違いないだろう。
見つからない内に俺達は、ここから離れた。
佐々木さんは、あれから黙り込んだまま家に着いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます