第3話ダンジョンコア攻略動画




朝を迎えた。


体の贅肉も取れ、スリムになった自分が居た。

何度も鏡の前でポーズしてしまう俺だった。



佐々木さん相手に、今後について話し合うことにした。

顔を赤らめて少し誤解したようだが話を進める。


俺がダンジョンコアを砕いた瞬間、コアの意志なのかビジョンが脳に入った。


それは、以下の内容だった。


・コアに対しての攻撃は、人間が魔石で直接攻撃する以外結界で防がれる。


・ダンジョン発生から10日後に地下1階ができ、コアも地下1階に転移する。


・1ヶ月間隔で階層が増え、コアも下へと転移する。


・階層が増える事で、マナの排出が増え怪物は強くなっていく。


・10年後ダンジョン内の怪物を一斉に排出する。


・最初に放たれた怪物は、討伐するかコアを破壊する以外、地上に生き続ける。


現状の地上の状態がダンジョンコアの、最大の弱点期間である事は間違いない。


昨日、現場で取得した情報をスマホで警告文として発信したが。

フェイクニュース扱いであまり拡散していない。


警察に出頭して、報告しようかと悩んだが止めた。

下手に拘束される恐れもあるし、時間を無駄にしたくなかった。

佐々木さんとダンジョンコアの攻略をした方が、よっぽど価値があると考えたからだ。


佐々木さんのレベルアップもして、攻略の動画撮影をして貰おうと思っている。

それを配信すれば信じて貰えるかも知れない。



攻略場所は、佐々木さんに一任。

佐々木さんに案内されるまま付いて行く、行き先は代々木公園。



自衛隊が防衛する中、佐々木さんの案内で上手く防衛網を突破。


目的地は、代々木公園のど真ん中にある草地広場。



Boxから目出し帽とバールを取り出す。

目出し帽を被り、バールを持った俺と佐々木さん。

魔石を食べさせて進化した魔石召喚獣達。


ジェネラルオーク


名:猪ノ丸


レベル 6


HP12000/12000

MP500/500


スキル

new強力Ⅱ 鉄壁 new威嚇



ジェネラルオーク


名:ブブカ


レベル 4


HP13000/13000

MP200/200


スキル

new強力 new鉄壁Ⅱ new威嚇



ジェネラルリザードマン


名:ザザ


レベル 2


HP4000/4000

MP3400/3400


スキル

new回避 new魔威 


魔法

水魔法8



キラーバット


名:キラ


レベル 2


HP2000/2000

MP2400/2400


スキル

new俊敏 new魔威 new攪乱かくらん 


魔法

風魔法9



4体と2名の混合パーティで攻略を進めて行く。


最初に遭遇したのがボブゴブリン5体の小集団。

キラがあっという間に3体を風斬りで始末してしまう。

残りの2体を捕獲するよう命令すると、ザザが猪ノ丸達より早く移動して捕獲。


1体は首をつかまれ大人しくしているが、もう1体は激しく抵抗するも硬い鱗に傷一つも付けられない。


その2体をバールで加減しながら打ちのめす。

鑑定で瀕死状態に為ったので「あの日の事を思い出し、復讐しましょう」


バールを佐々木さんに渡す。

意を決したのか、必死に叩いている。

肩で息をしながら20回以上で1体を始末、もう1体は8回で始末。



佐々木理華子


レベル 3


HP40/40

MP120/120


スキル

千里眼 new俊敏 new回避 


魔法

回復魔法3



佐々木さんは、吹っ切れた顔で「ありがとう」と言いながらバールを渡された。


「それと、10体の怪物達が向かって来るわ」


俺はザザに2体捕獲しろと命令する。

キラは待機命令で、猪ノ丸とブブカで殲滅せんめつしろと命令。


『任せてくれ、主殿』


ブブカが返事をしてから走りだした。

進化したことで話せるようになった。

俺しか理解出来ないのが難点だ。



やって来たのは、ブラックウルフだ。

鼻が良いから来たのだろうが、後悔する事になるだろう。


やっぱりザザの動きは早い、2体捕獲して戻って来た。

猪ノ丸とブブカがやっと接触。


ブブカが威嚇いかくの声を発し、硬直したブラックウルフ達を蹴り上げ叩き潰す。


猪ノ丸のワンパンチで5m後方に飛ばされ、消えていくブラックウルフ。


接触して1分弱での殲滅。



捕獲の1体を佐々木さんが討伐して、レベルアップ。


佐々木理華子


レベル 4


HP50/50

MP150/150


スキル

千里眼 俊敏 回避 


魔法

回復魔法3 new黒魔法5


今討伐したブラックウルフだけが黒魔法を持っていた。

これで遠距離攻撃が出来るので安心だ。


「佐々木さん、その1体と俺が戦うシーンを取って下さい」

とどめに火の球を使うので、よろしく」


佐々木さんが準備できたようだ。


「俺の方に放り投げろ」


放り投げられながらも体を捻り、上手く着地した瞬間。

俺に向かって飛び掛るが、バールで横面を軽く叩き怯んだ体にバールでフルスイング。


2メートルも後方に飛ばされたブラックウルフに、火の球を発射する。

体に着弾して燃え上がり、しばらくして体ごと消えた。


「どうでしたか」


「上手く撮れたと思います」



目的地までに12回程戦ったが問題なく討伐した。


目の前にコアが居た。


キラに怪物が出現したら殲滅しろと命令。

佐々木さんに魔石を渡し、頷き合う二人。


コアに向かう佐々木さんを撮り続け、コアが砕ける瞬間も撮れた。


佐々木理華子


レベル 12


職業:new結界師1


HP130/130

MP360/360


スキル

千里眼 俊敏 回避 


魔法

回復魔法8 黒魔法5



「ユウと同じようにビジョンを受けたわ。それとコア近くだと、怪物討伐でスキルや魔法を受け継ぐ率が高いって」


「それは、本当ですか?」


「それも、コアが地上に居る期間だけ」


「それなら他のダンジョンコアを攻略しないと、後は魔石回収だけだな」


「それならいい案があるの、キラを呼んで」


キラの額に手を載せて念じている。


「これで、魔石の位置を教えたわ」


「位置を理解したか?」キラは『わかっているよ』と何度もうなずいている。

俺はBoxからバックを出して、バックの中を空にして渡すことにした。


「キラ、この中に魔石を回収して来い」


キラは『わかった』と足でバックを掴むと飛んでいってしまった。


その間、動画と警告文をどうするか話しながら操作する。

そして、動画を配信。


1時間後に戻って来たキラは、魔石は86個も回収していた。

俺は、キラの頭をなぜながら「偉いぞ」と褒めた。


「なんだか、疲れたわ帰りましょ」


召喚獣を魔石に戻し、自衛隊の防衛網のスキを抜けて二人は帰った・・・



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