第36話 日常の再建、からの長い二日間⑩
男はまるで胸を弄ぶかの様にブラひもを引っ張り胸を揺らした。
少しでも誘惑しやすいように肩が出る服は失敗だったかと少し思った。
そんな事をされながら
「通話先も、このホテルですか?」
「ん?まぁそうだが?」
しかも、
1室3人入っている所を探すと、斜め下の方向に三人組が居る事に気付く。
そんな事をしてるとは知らない男が舌なめずりをしながら近づいて来た。
「じゃあちょっと脱いでみようか、小柄なのに胸おっきいよね、揉まれ慣れてる?」
「自分で脱ぐので少しあっち向いててもらえますか」
「ん~?、ああいいよ」
男が振り向いた事を確認して、三人組が居る方向に集中して再度『マジカル・サーチ』を唱えた。
体の大きさから、
ワンピースだったせいで一瞬で下着姿になってしまったのだが、それも構わずヘアピンを銃に変えて2人に向かって撃ち込んだ。
まだ小さいながらも
通話中スマホから「ぐあ!」という声が二つ聞こえると同時に、男が襲い掛かって来た。
それが背後から襲われたからといって、魔法少女が負ける訳がない。
「ぶふぇふぉ!」
鼻血が飛び散り、後に倒れそうな所をそのままアッパーカットを叩き込むと男は壁に激突した。そして『マジカル・サーチ』で
それは純粋悪とでも言うのだろうか。
後ろめたさが全くない、ということに他ならない。
仕方なく、というべきか。
純粋悪という事への苛立ちか、
男がぐったりと力を失ったあたりで我に返り、手を止めた。
死んでいないか確認するが残念ながら、男は意識を失いながらもどうにか息をしていた。
「
猿ぐつわを自力で外した
涙を流して、それはもう酷い顔になりながら、無事である事に「よかった、よかった」と繰り返す。
それから
マジカル・アンロックで鍵を開けて中に入り、ようやく
この部屋に居た二人組はロープで縛りあげて、実行犯の男の部屋に放置した。
起きたら延滞料金で大変な事になっているだろうけど、知った事ではない。
それを待っていると随分早くに、男の携帯が煙を上げた。
これで撮影された
「
「あ、うん、服を破られたけ」
今の
「俺もこの部屋で待ってていいかな?着替えが届いたら出て行くからさ」
「いいよ。それよりも
「いや、それが
「じゃあ家に行くしかないって事?」
「一応、俺の部屋に張り紙をしてきたよ、スマホを持って
それから、暫く、無言の時間が流れた。
正直二人は気まずいと思う
その
その直後に、
「まったく、ふざけてるよなぁ~」
「──…まぁ、したかったらしてもいいけど?」
「どうしてだよ!」
「──避妊さえすれば、そう言うのは自由なんだって。恋愛も肉体関係も自由。大人って意味わかんない……」
「じゃあ誰にでもやらせるって言うのか?」
「──それは、そうじゃないけど、
そんな事を言われた
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