第35話 日常の再建、からの長い二日間⑨
すると、枕元に堅い物があった。
しかも電源が切れている。
その内容は、今日もやらせろと言う内容で、返事が来ない事で何度も送り続けていたらしい。
どうにも
電話を通話状態にすると、やはり昨日の中年の男だった。
腹が立って切ってもまたもやかけくる。最終的に着信拒否に設定した。
もしかすると、エンコーをやめれない理由はそこにあるのではと考える。
相手の電話番号をメモして、またもや走った。
目的地は再び
たどり着くと息を切らしたままインターホンを鳴らす。
「またなの?今度は何?もしかして、お金もやっぱり欲しいって話?」
インターホン越に話は出来ないと言って、家に入れてもらう。
そこで、
「魔法少女にお願いがある。ある男を懲らしめて欲しい!」
経緯を洗いざらい話した。
それで電話番号を教えると、まるでそれが当たり前の様に
『誰だ』
『はじめまして、蛍っていうの。エンコーしてくれるって聞いたんだけど?』
『ああ、まずは会って話そう、何処に行けばいいんだ』
『じゃあ───』
あっさり呼び出してしまった。
「
「やらないよ、やれなくするだけ。あ、
「わかったわ、タイミングは指示してね」
「ありがと、じゃあ行ってくるよ」
「え?もういくの?」
あまりの話の速さに
相手には
二人で移動して、待ち合わせ場所に
だが、待てども待てども、声をかける者は現れない事に
肩の出たワンピースなんて場違いだったかなんて思いながら、どんな服なら良かったのかと思案していると、ようやく声をかけて来た男がいた。
「君が、蛍ちゃん?」
「はい、そうです」
「そうか、じゃあコレ見てくれる?」
「!!!」
それは
ご丁寧に猿ぐつわをされ、椅子に固定されていた。
「
「むー!むー!」
「おっと、この通話が切れれば、即座にナイフが彼の喉を刺す、そうされたくなければ大人しく言う事を聞きな」
その男の手が
そして近くのホテルに連れ込まれる。
そこは
ガラス張りのお風呂場に、ガラス張りのトイレ、鼻につく匂いに、ふかふかのベッド。
冷蔵庫まで完備されていて、テレビもある。そしてゴムが二つ。
テレビをつけてみると、イヤラシイ映像が流れるのに気づいて即座に消した。
「蛍ちゃんはエンコーするの初めてかな?」
「はい、勝手がわからなくてごめんなさい」
「そうだな、最初に話した時、値段を提示するんだけどね」
「そうなんだ」
「まぁ、それがないなら、タダでいいって事だね」
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▼補足「
相手は
突然の知らない人からの連絡に警戒しない訳がなく、しかも昨日の今日。
待ち合わせ場所で
ぺろりと舌なめずりする男だった。
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