第8話 セクハラ先生からの忠告とお誘い
学校が始まってから、食事の一切を
お弁当までつくって貰って大変申し訳ないと思う
「ねぇ、お手伝いさん雇わない?」
その問いに
わりと料理の腕には自信があるし、無表情ながらもちゃんと「美味しかった」と感想を述べてくれる。初恋の相手に手料理を振舞えると言う事自体が
「どうして?私の料理、好きじゃない?」
「それは好きなんだけど」
「そ、そう……そんなに私の事を?照れるな~」
「そんな無理矢理こじ付けなくたって、
「───!!」
目を見て話す
嬉しいと思う反面、もっと早くに行って欲しかったと思う
「少し表現に語弊があったかしら」
「な、なぁんだ……あはは」
「言い直すわ、
「───!!!!!!!!」
そして、赤面しながら動揺する姿を見るのが癖になりそうになっている
告白前に抱いていた印象とはずいぶん違うと思いながらも、新たに見えてきた性格も可愛いと思っている。
結局、今まで表面しか見ていなかったのだと反省する
ただ、退院してから
その割に乾燥機の中にジャージが入っていたり、靴が汚れていたりと活動している痕跡が残っている。
結局、お手伝いさんの件は結論が出ないまま学校に行く事になる。
大人しいく丁寧な話口調、多分照れ屋で多分恥ずかしがり屋、孤立しているけど多分関わりたいと思っていて男に免疫がないといった所だろうか。随分と思い込みが入っているなと思った。
今抱いている印象は、私に対して裸を躊躇なく晒す程、羞恥心がない、ズケズケとモノを言う、唐突に告白する、そして私が怪我をすれば代わりに大泣きして、私を大事にしてくれている。総じて小悪魔と天使の融合体とでも言うべきだろうか。
色々と思い出して茹で上がりそうになる顔を冷やしながら、過去の発言を思い出す。
『私を好きなだけ見て。触っていいよ、何しても……乱暴にする?』
自分に勇気さえあれば、実際に触ってちょっとくらいHな事をしたかったのに、初めて生で見る女子の裸体にただ見るだけで終わってしまった。今でも一緒に入浴するのだが、自分の体を含めて心極力見ない様に薄目で洗っている。理由は単純に恥ずかしいからだ。
着替ですら極力見ない様に努力していると言うか、直視できていない
そういう人間の事を『ヘタレ』と呼ぶ、それが自分に当てはまる事は百も承知だ。
教室に着くと、
スマホは新に買ったばかりで電話番号も別物、HOTLINEも新アカウントとなって、登録しているのは市長と
そんな友達が少ない状態だと殆どスマホを使わない。今朝も画面の確認せずにカバンに入れた。そのスマホを取り出してロックを解除した時、グループのお誘いメッセージが目に入る。
きっとこの子達だろうと思って表示すると、それが魔法少女グループだった事に焦って隠す。
「どうしたの?彼氏からメッセージ来たとかぁ?」
「ほほぅ、彼氏居たんだぁ」
「い、いないって、本当、本当にいないから!」
スマホを机の上に置いて皆が登録するのを待った。
最後の子が登録し終わった時に、その子が
「あれ?殆ど登録されてないじゃん?仕方ないなぁ、男子~登録したい人いる~?一人千円だよ!」
「ちょ、それは──」
「クラスの男子だけだからいいっしょ?お金は冗談、そんなの取らないって~」
次々とIDが登録されていく中、男子の半数が千円札を握りしめているのを見て呆れてた。
しばらくしてスマホを返してもらうと、登録者リストを確認する。そこに仲の良かった3人が含まれる事に少しほそく笑む
その後、メッセージ着信通知が
***
放課後、
生徒指導室へのご案内に何かしてしまったのかと
中には誰もおらず、ひっそりとしていたがテーブの上には一枚の写真が置かれていた。
すぐにドアが閉められ、カチッという音がする。
生徒指導室では他の生徒に聞かれたくない話をする為、邪魔をされない様に鍵を閉める。
「それで私は何の件で呼び出されたのでしょうか」
「んー、まぁ言いにくいんだが──」
「先生と付き合う気は無いか?」
「はぁ、全く」
「まぁ、そうだよなぁ、いや、先生、出会いなくてさ、魔法少女なら中学生でも法に触れないと聞いて一か八かって、あの、聞いてる?無視されると、先生悲しいな」
そんな普通ではない感性を持っているのが
「それで、この写真はなんなのですか?
写真に写っていたのは夜の街を歩く
相手の顔こそ分からないが背丈とスーツの上等さは父親を彷彿とさせた。
実はこれが彼氏ですって言われれば信じてしまいそうになるが、それは有り得ない話だ。
「まぁ、それが本題だ、テスト前だというのにこんな事を言うのは何なのだが、
「それはないですよ、
頭を抱えながら話す
となればやはり口説いたのは
「そう?実は
写真からの推測ではない事は相手が大人だから明らかなのだが、だからといって
「あんまり表情に出さない方がいいぞ──」
「──先生は何を知ってるんですか?」
「────いんや、なんも知らんよ、ちょっとした簡単な推測だ、だがまぁ、
「兄は……生きているのでしょうか」
「だが、そうだな──、
「──はい」
良くない状態とは精神的な話、つまるところ幸福値が低いという事だ。
そんな状況で
そして
「俺なら
そもそも探す対象がここに居るのだから見つかるはずがない。
だが、
「──、一つ聞いて良いですか?」
「ああ、いくらでもどうぞ」
「先生は私の事が好きなのですか?」
「────うん、好きだぞ。生徒はみんな好きだ」
その答えから本気じゃない事は分かる。
だとすれば先ほどのは暗喩でなく冗談なのだろうと
どうせ告白するなら、今朝の
「はー、ロリコンですね」
「辛辣!」
「肩に手を置くの止めた方がいいですよ、セクハラで訴えられたら負けますよ」
「相手の幸福値が下がったらな。
そう言うと
腕が胸元で交差し、
以前にも同じ事をされた事があるだけに気にする事は無かった。ただ、当時は少し、ホモじゃないかと疑ったくらいだ。
袖の中からちらりと見える
「お前さ、こういうのされたらちゃんと抵抗しろよ」
「先生が言いますか?」
「全く、魔法少女と言うのはよくわからんな、抵抗しない理由とかさ力じゃ圧倒的に先生負けるのにな」
「先生────
「してない、してない、する予定もないぞ」
「はー、だったらいいですけど、もししてたら去勢する所でした」
「物騒!」
その
「その胸、ちょっと揉んでみたかったな……」
「やっぱり去勢しましょうか!(怒)」
「なんだ、ちゃんと怒れるんだな、ちょっと安心した」
「先生……」
「クラスで、スマホ取られて、アドレス交換祭りが行われたと聞いてな、感情表現が下手なのかと思った、もっと怒っても良いと思うぞ先生は」
「さっき、肘を胸の先に当ててましたよね、野獣ですか?綺麗にまとめようとしないでださい」
「すまんすまん、あれは勢いだった」
「じゃあ、用事は終わりですね、帰ります」
同じことを繰り返すなんて、なんて意味の無い事をなんて思ってると、顔が急接近した。
相手の吐息が感じれる距離、そして真顔になった
「もし身を隠す必要がある時はここに来い、俺の家だから気を使う必要は無いぞ」
住所を書かれた紙を握らされ、
続く
もしかすると本気で口説きに来ているのかという疑問を抱きつつ、止まった足を動かした。
そんな状態の
その人物は歯ぎしりと舌打ちをして、その場を立ち去る。
まだ、何のトラブルもない学校生活に不穏な空気が流れ始めていた。
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