第6話 魔法少女の恩恵、そして禍堕ちとの戦い(後編)
その間にビルは
「何あの大きさ!」
「あれが
見た目はただ真っ黒で巨大なワームの様な生き物に見える。
それが40階建てのビルをまるま呑み込もうとしているが、どうやったら倒せるのか全く見当もつかない
そんな時、どこか遠くからから声が聞こえた。
『マジカルブーメラン!』
その声と同時に全長10mもありそうな巨大なブーメランが
それを見て
「来たわね、東区の暴れん坊、マジカル・ラン、私達も頑張らなきゃ」
そこで
だが、それを聞いた
「なにしてるの、それは人を探す魔法よ!」
だが、
すると、さっきよりもより鮮明に赤黒い物が見えた。
5階の赤黒い部分にアサルトライフルの照準を合わせ、引き金を引いた。
『ターーーン』という音と同時に、5階のあたりから血が溢れ出す。
それを目の当たりにした
「
それを見た
「え、ちょっと!
『■■■■か■■■い■■■■■■■■■■■■え■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■た■■■■■
■■■■れ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■い■■■■■
■■■■■■な■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■と■』
突然、
その時の外部から見た
そして、それは
何も聞こえず、何も見えず、何も話せず、何も触れず、何も動かせない。
まるで宇宙の真空の無重力空間に放りだされたような感覚とでも言うのだろうか。
そして自分が溶けて行く感じがしていた。それは思考が徐々に薄まって感情と言う物がなくなっていってるのだと思ったが、それを止める方法は無かった。
何も感じる事がない、ただ浮いているだけで手足を一ミリも動かせない状況、虚無の時間を彷徨う中、
ハッキリと聞こえた訳ではないが、彼女が泣いていると思った。
その出来事は、自我を失いかけていた
もう、何もかもを諦めるかと思いそうになった時、脳内に直接メッセージが送られてきた。
『■り■■う』
それは
***
まず最初に目に入ったのが
そこは中央区にある市内で一番大きな病院だった。絶対安静とされて面会者も制限させれいる状態だったが
医者の話では、魔法少女の体と言うのは精神的に危険な状態になると全ての感覚を遮断し、自身の体を捨ててでも精神を護る構造だそうだ。
翌日には市長とホテルのオーナーが挨拶に来た。
復帰した際には特別報酬と頂けるとか。感謝の言葉ばかり貰っても意味はないので、有難く頂く事にした。
体の状態は、聞くも無残な状態だから教えられないと、突っ張られる。分かっているのは、両手足ギブスで固定されている事だけだ。それは幸福値に影響が出る事を考慮してなのだろうと思ったが、諦めきれていなかった。やはり自分の事は知っておきたいと思う
更に次の日には、東区の魔法少女という
一見、
ただ、内外から圧迫されたせいで大半の内臓が損傷し、手足は全ての骨が複雑骨折していた。
普通はそんな状態で生きている訳がないと思われた。
だが、そこは魔法少女、生命維持のためだけの器官を護り、限定した状態で命をつなぎ止めたが、そこからの回復は目を疑う程で徐々に機能を取り戻す内臓に手足の骨も徐々に繋がってゆき、完治も時間の問題だと思われた。
問題は感覚がいつ戻って来るか。今、感覚が戻れば死ぬほどの激痛に襲われるだろう。
魔法少女の体はその事が分かっているから、神経を切断したままなのだという。
要は完治さえすれば自然に感覚も戻って来るという事らしい。
その日の夜。
中央区の魔法少女が現れる。『マジカル・ユリ』と名乗り、
そこから更に一週間が経過する。
ここからは診察の時間以外は食べる物も自由だし買い物にだって出かけれる。
そして、驚いたの事に幸福値が『2933.2』となっていた。
そこまでのその数値となると、良い所のお嬢さんが何不自由なく暮らしてるレベルだとか。
あまり一般人では見かけられない値とされていた。
あの時に食べきれなかったお詫びだと言うので、
その時、
「中央区でやるんやったら、あの子も来ればよかったのになぁ」
「あの子ってユリさん?」
「そうそう、結局誰も正体しらへんねん」
「きっと、言えない事情があるんでしょ、気にしないであげるのが一番の親切よ」
無理矢理相手の秘密を暴くなんて悪趣味だ。
仲良くなりたいのもわかるけど、こればっかりはどうしようもないと諦める。
その時、貸し切りの筈の店に来店する者が居た。それはこの魔宮市の市長、
「おや、
「パパ……」
「今日は、御影さんに用があってね。先日言ってた報酬の件だ」
特別なおまじないを掛けているから、常時着けていて欲しいと言われ、市長の手で首に掛けられた。
それを見た
「へぇ、可愛いやん、ええなぁ、ええなぁ、ウチもほしいわぁ」
その理由はそのペンダントを見る度にパパを思い出すと後になって言われた。
病室に戻ると甘い物ばかりを食べていた口が塩系の何かを食べたくなってきた。
最初に口に出したのは
「ぽてち…、コーラ…」
それに反応するは
「それは悪魔の
「
「あんさんも悪でんな~」
「「ふっはっはっはっは」」
「もう、あまり騒ぎ過ぎちゃダメよ」
結局、
話題は主に事件の関連についてだ。
「
「へぇ、ええやんええやん、それだけの事したんやと思うで」
「
「でも、一緒に頑張ろうよ、
「──うん……」
「あれ?
何故か
それと同時に、
ほんの少しの沈黙は
「───そろそろ………、下の名前で呼んでくれない?
「あ……ごめん。そうだね……、────
「あースッキリッ、って、何なん!?この雰囲気!まるで告白した直後みたいな雰囲気醸し出しとるやん!なにー?なんなーん?教えてーやー」
「そんな早くにトイレから帰って来れる訳ないわよね?」
「バレたかぁ、
「誰が名探偵よ!」
こんな風な感じで、
明日は退院、明後日は平日で、ついに復学となる
「あと、1週間休みたいなぁ……」
「ダメ」
「3日でいいから!」
「ダーメ」
「あきらめーや」
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