第22話 最高の変化

「なあ、東京オリンピック、前回のけどさ、その頃にあったすごい出来事があったろう? 」

「すごい出来事? うーんと・・・何だっけ、高度経済成長でえーっと」

「あの頃は色々変わっていった頃だから、じゃあ最大ヒント、新しい乗り物だ! 」

「その頃に出来た新しい乗り物? えーっと・・・

あ! わかった!! 新幹線! 」

「大正解だ! 俺は新幹線に変化して走った、最初の妖怪だ!! 」

「新幹線に変化して走った? レールの上を? 」

「もちろん!! 

ああ、あの真夜中に走る俺を見るため、線路の側の至る所に妖怪がいてさ、空にも。わざわざ遠くから見に来てくれた妖怪だっていたんだぞ! 

それに、白ギツネ様も見に来てくださった。俺たち変化妖怪の「レジェンド」だ。昔話であるだろう? 人間の女に化けてそのまま子供を産んだんだ。本当にすごい人だ。人間との子供を作るには体の内側も人間にしなければいけない。今ならば色々な事が研究されて、本もネットもあるが、あの頃に自分で研究して、そうしたんだぞ! 白ギツネ様への尊敬は一生変わらない。

そして俺のことを

「まあ、面白い事をする子ね。将来が本当に楽しみ、いつ消えても良いと思っていたけれど、もう少し生きてみようかしら」

って言ってくれたそうなんだ!! 」


僕はそれを聞いて、自分自身が「意地が悪いのかも」と思った。

だって、そのうれしい褒め言葉を聞いた直後に、コリコはギャンブル漬けになってしまったのだから。


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