第11話 明日からのこと

「ちょっと穏やかな顔になったかな」

「あ・・・ありがとうコリコさん」

「コリコでいいよ、名前真日、しんかだったな、格好いい名前だな、うらやましい」

「でも名前負けしているかもしれない。ありがとう、本当に。すごく気持ちがすっきりした。こんなに晴れ晴れしたの、いじめが始まって以来だよ。今日は夕食もたくさん食べられそうだ」

「そうか! じゃあこの後どうする? あいつらの前に俺の考えた最高に怖い生き物の姿で」

「あ、それはいいよ」

「どうして? 俺は変化妖怪だぞ! 何にでもなれる! 」

「ありがとう、でも・・・今の可愛い姿のままがいい」

「あ、そうか? 」

「それに、家に帰らなきゃ行けない時間だ。靴、本当にありがとう」

「でも、お前明日また学校に行ったら・・・」

「そうだね、同じことがあるだろうね。でも明日の朝は全然違う気持ちで教室には入れそうだよ」

「そうか・・・まあ・・・とにかく今日はこれくらいにしようか」

「え? また会えるの? 」

「もちろんだ! おまえが普通の学校生活を送れるようになるまでが俺の責任だから」

「そう、ありがとう。あ、お菓子ありがとう。あまったのは? 」

「大丈夫、仲間に配る」

「そうだね、じゃあありがとうコリコ!!! 」

「ああ、またな」

可愛い動物を丘の上に残したまま、僕は下り始めた。でも顔は後ろを向いたままだった。

家に帰って食事をしながら

「ああ、今日はよく食べてくれるのね」

「美味しいよ、お母さん、ありがとう」

「お前学校で何かあるんじゃないのかと思ったんだ、最近食が細くなったから。でもどうしたんだ? 今日はすごく楽しそうだ」

「おとうさん、今日ね、すっごく可愛い動物を見たんだ」

「動物? 犬猫じゃなくて? 」

「あ! えーっとね・・・・」

とりあえず、とても毛並みの良い猫ということにしておいた。


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