第14話 生き血を飲ませるえっちな先輩🚹
「ふふふふ~ん、何見よっかな~? 何見よっかな~?」
アマプラは面白い映画とかドラマとかいっぱいあって困っちゃうよ~。
どれ見ても面白いし、どうしようかな~? どうしようかな~?
「あ、ポンポさんがある! この映画見たかったんだよね~、これにしよう!」
ビールは……あき君と飲むからまだちょっと我慢して、コーラと……あ、ポテチある! ごめんねあき君、勝手に貰って……準備万端!
「ふふふふ~ん、楽しみ、楽しみ~!」
☆
「……何入れたんですか! コーヒーに何入れたんですか、先輩!」
「えー、どうしようかな? ククッ、何入れたと思う?」
そう言った先輩は真っ赤な瞳を大きく見開いて笑って。
イタズラに成功した子供みたいに楽しそうに笑って。
……くそー、なんか口の中気持ち悪いし、やっぱり飲むべきじゃなかった!
先輩、コーヒーにはイタズラしたことなかったからなんかプライドがあると思ってたのに……クソ、騙された!
隣の委員長も口を抑えて、苦しんでいる……やっぱり鉄の味がするコーヒーは強烈すぎるよ!
「ほらほらー、何入れたと思う? 何入れたと思う?」
ニヤニヤしながらそう聞いてくる先輩……うざい!
「えっと……鉄アレイ! 鉄アレイ入れた!」
ウザイし、口の中気持ち悪いしで適当に答える。
うえ、さらにもう一段階もごもごしてきた……うえっ。
「ハハハ、鉄アレイなわけないだろ、それをどうやって飲むんだい? もっと身近なものだよ、若葉君は何か思いついたかい?」
ハハハと楽しそうに笑いながら、委員長にも話を振る。
「……お醤油。ポン酢、めんつゆ」
口を抑えながらの委員長が答えるの3種の調味料。
確かに醤油みたいな味はするけど……ちょっと違う気がする。
「うーん、そうかい、そうかい。二人の答えはそうなのかい……残念! 二人とも違う、正解は別のもの!」
僕たちの答えを満足そうな顔でうんうん聞いていた先輩は「違うよ!」と楽しそうに言って、萌え袖の中から何かを取り出す。
そこから取り出したのは、白い容器に入った、先輩の瞳くらい真っ赤な液体。
「これなーんだ?」という風に顔の横でちゃぽちゃぽ振って。
えっと、もしかして……血液!?
「うーん、正解! 正確にはすっぽんの生き血だけどね……これをちょっとコーヒーに混ぜてみました! 直でね!」
そう言って、ドンとどこか誇らしげに胸を張る先輩。
……
『なんてもの混ぜてるんですか!!!」
委員長と声を合わせて、二人で先輩に向かって叫ぶ。
なんですか、すっぽんの生き血って、それってお酒とかで割るものでしょ!?
それをコーヒーに直入れって……そりゃ鉄の味がするわ、変な味がするわ!
「ふふふ、たまたまこれが手に入ったからね。ちょっとイタズラしてみようと思って……どうだい、美味しかったかい?」
『まずいに決まってるでしょうが!』
感想を聞いてくる先輩に、別に図ってないのに同じタイミングで声が出る。
すっぽんの生き血なんてたまたま手に入るものじゃないんですけど!?
それをイタズラに使うのよくわかんないんですけど!
僕たちの怒りの答えを聞いた先輩は「そうか、そうか」と楽しそうに笑う。
笑いごとじゃないくらい変な味したんですけど!
「ふぅン、やっぱりコーヒーに生き血はまずかったか、勉強になったよ……はい、お水」
「……ありがとうございます?」
クスクス笑いながらの先輩が萌え袖の中から差し出してくれたお水を飲む。
流石に何も入ってなかったみたいで、ちゃんと口の中が洗い流されて……よし、スッキリ元気だ!
僕たちの方を見ながら、先輩は少し不服そうな顔で椅子に座る。
「それにしても二人の反応、少し微妙じゃなかったか? おえって感じで……もうちょっと反応大きい方が良かったかな、次は頼むよ。コーヒーを吐き出すくらいしてくれても良かったかも。」
そうダメだしし、何も入っていないであろう自分のコーヒーを啜る……ああ、なんか腹が立ってきた!
自分だけちゃんと美味しいもの飲んで、勝手にイタズラしてダメだしして、委員長がむっつりとか言う知りたくなかった真実知らされて……よーし!
「先輩、ちょっとこっち向いてください! そして僕の横来てください!」
委員長に目で合図しながら、先輩を呼びつける。
「ん? どうしたんだい、明良君、急に積極的だね?」
少し目を丸くしながら、コーヒーを飲む手を止めて、テトテトと小さな体を揺らして、僕の隣に座ってきて。
「……先輩、僕の事、まっすぐ見てください」
「……本当に、どうしたんだい? そう言われると少し恥ずかしいが……わかった、見るよ。君が言うんだから……ふふふ、ちょっと恥ずかしいな」
少し照れたように顔を赤くしながら、僕の方をまっすぐ見てくる。
やっぱり男の人とは思えないくらいに顔が整ってて、本当に女の子にしか見えない顔。
その顔をまっすぐ見つめ返して。
「先輩、したいことがあります。良いですか?」
「し、し、したいこと? わ、え、したいって⋯⋯え!? う、で、でも、そ、そんなまっすぐ……えっと、その……若葉君もいるんだぞ!? その……い、今じゃなくても、後でならじっくり……」
「ダメです、今です。それに委員長がいないとダメです」
「ど、どう言う事だ? 君はそんな、、、う⋯⋯そ、そんなまっすぐ見つめられると、決意が……わかった、わかったよ……その恥ずかしいけど……だから優しくしてくれよ?」
ウルウルと瞳をクルクルさせた先輩が、赤い顔で「ん」と瞳を閉じる。
「すみません、先輩……失礼します」
「うん……いいよ。初めてだから、優しくな?」
「……そこは了承できません。それじゃあ……えいっ!」
だから僕も先輩の顔に手を伸ばして……思いっきりほっぺを引っ張った。
「……んんん??? ……痛い痛い! な、何するんだ、何をするんだ明良君!? さっきのはこう……そう言う事じゃないのか!?」
「そう言う事って何ですか、どういうことですか! 先輩にはかわいい後輩に生き血なんて飲ました罰を受けてもらいますからね!」
「……バカ! バカバカバカ! バカじゃないのか君は! 本当に僕の……バカバカバカ! バカフェレット!」
「後輩にすっぽんの生き血コーヒー飲ませる人の方が馬鹿ですよ!」
「僕はバカじゃない! すっぽんの生き血は栄養がある、君の方がバカだ! 君の方が色々バカだ!」
「はいはい、うるさいです、うるさいです! もちもち~もちもち~」
色々と喚き散らす先輩のほっぺを思いっきり掴んで、ムニュムニュもちもちする。
先輩のほっぺ、外から見る分には肉付きが薄くてペラペラなんだけど、触ってみるとめっちゃもちもちで触り心地が良くて……結構気持ちいい。
「痛い痛い! 痛い、やめろ、離せ、もちになる! そんなにほっぺを引っ張たら僕のほっぺがもちになってしまうぞ、離すんだ!」
「先輩のほっぺは最初からもちもちです、心配いらないです! だからもうちょっともちもちの刑ですよ!」
「やめろ、やめろって言ってるだろ、一応僕は先輩だぞ!?」
そんな事を言いながら暴れる先輩を抑えて、そのままほっぺをもちもちもちもち。
あ、これ結構癖になるかも!
「ううっ、やめて……やめてください……!」
しばらくもちもちし続けてると、真っ赤に色づいた顔に涙をためた大きな瞳をフルフルと震わせ、怯えた表情で命乞いをし始める先輩。
何というか、その……結構エロいです、その顔。
その顔は可愛いし、エロいし、その……
……そろそろやめるか、僕のは!
「……わかりました。反省しましたか?」
「……ううっ、ほっぺがもちもちに……うん、反省した」
そう素直にぺこりと言ってくる先輩。
そっか、反省したか、それじゃあ……
「よし、委員長、出番だ!」
「はーい、待ってました! 二人がイチャイチャしてるから待ちきれなかったよ!」
グッと袖まくりをしながら、委員長がニコニコ笑顔で僕の後ろから顔をのぞかせる。
先輩の瞳が「え?」と丸くなり、その後絶望に変わる。
「ふふふ、速子さ~ん! 私の分も残ってますよ!」
「……ぴえっ」
ニコニコ笑顔でほっぺに構える委員長に、先輩は情けない、諦めたような小さな悲鳴をあげた。
★★★
感想や評価などいただけると嬉しいです!!!
現在次話バグりなう。
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