Column10 「爆笑」に対する、二つの意見

 ――「爆笑なんですけど!」

 ――彼女は爆笑した。


「爆笑」をこんな風に使うことや、使っているのを聞いたことがあると思います。これは「一人で大声を上げて笑う意(『明鏡国語辞典 第三版』より)」という意味で使っていますが、「爆笑」は元々沢山の人がいるところで使われていました。

「爆笑」を辞書で引いてみると、下記のように書かれています。


*****

【爆笑】『明鏡国語辞典 第三版』より

 大勢が声をあげていっせいに笑うこと。

 ▽弾けるように笑う意から。

[使い方]一人で大声を上げて笑う意で使うのは新しい言い方。

*****


 このことから「爆笑」というのは多くの人が、一斉に笑ったときのことであることが分かると思いますが、新しい使い方の意味も採用されていることから、少しずつ受け入れられてきている様子も伺えます。


『三省堂国語辞典 第八版』に至っては、「『一人で笑う場合に使うのは誤り』と言われることがあるが、このことばが広まった昭和戦前から一人で爆笑する例は多く、人数を問わず使える」と強く書いてあります。ネットでは「『爆笑』を個人で使うのは誤り」と書いているのも見受けることがあるので、それに対する反論だったのかもしれません。


 最近では、文末に(爆)と書き、爆笑の意味を伝える使い方もされていることもあるので、それほど個人に拘る必要はないのかなと思います。

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