Column9 「花金(花キン)」は、廃れた言葉か否か

◇死語や廃語という言葉は、ちょっと避けたい◆


 ――「花金(花キン)」は、廃れた言葉か否か。


 前回のColumnを踏まえて、「死語」や「廃語」という言葉を敢えて使わないでみたのですが、どうでしょう? 通じます?


「死語」って言葉を使ってもいいんですけど、本当に使われなくなったわけじゃないので、出来たら別の言葉で表現したいと試みてみたのですが、しっくりこないです……か、ね? (だから「死語」とか「廃語」が使われていたんでしょうけど<笑>)


 もし、何かよい言葉(造語でも構いません〜)があったら教えていただけると嬉しいです。もしかするとそれが広まって、新しい言葉として世間に広まるかもしれませんしね。よいアイディアお待ちしています~。

 それまではとりあえず、ここでは「廃れた言葉」と表記しますね。



◇本文◆

 さてさて。前置きが随分と長くなりました。すみません。

 前回のColumnにも書きましたが、今回は「花金」が時代遅れの言葉かどうかについて検証しようと思います。

 何故これを選んだのかと申しますと、以前職場にいた人が、毎週金曜日になると「花金だ~!」と言っていたからです(飲む気満々<笑>)。


「花金」は、「花の金曜日」の略です。ご存知の方もいると思いますが、1985年に全国的に広まった言葉です。1980年代に導入された、週休二日制がきっかけでした。

 それまでは休みではなかった土曜日が休みになったことで、働く人たちが金曜日の夜にいくら飲み歩いても平気! と思うようになり、さらに丁度バブル期の状況と重なったことで、「週末の休みをひかえた金曜日の夜(『三省堂国語辞典 第八版』)」のことを指すようになりました。


 しかし、現在週休二日制は当たり前(……であることを祈ります)。そのため、『三省堂国語辞典 第八版』を見ると「やや古風」という分類にされていることから、少し古い印象、つまり廃れたような感覚があるのも確かです。


 ただ「花金」が見出しにある『大辞泉』や『大辞林4.0』を引いてみる限り、古いとはありませんし、高校生向けの辞書『三省堂 現代新国語辞典 第六版』には「[サラリーマンにとって]土曜日・日曜日の休みをひかえた、心の浮き立つような金曜日」とありました。

 今後、働き方がより柔軟になり、フレックスタイムが浸透するようになってくれば、「花の金曜日」という言葉を使う人がより減っていくかもしれません。しかし、今はまだ金曜日の夜にはしゃぎたいと思っている人も沢山いらっしゃると思うので(笑)、それほど気にせず使ってもよいのかなと思います。意味も通じますしね。


 ちなみに、「花の金曜日」に多くの人々が遊ぶようになりお店が混むようになったことから、それを避けるために、木曜日の夜に遊ぶ「花の木曜日」つまり「花木」という言葉もあったようです。しかし、これは調べた限りの辞書には載っておらず、使っている人もいないことから死語に近い言葉なのではないかなと思います。


 皆さん、遊ぶのもいいですがほどほどに(笑)

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