Column7 「Ludwig van Beethoven」の表記の仕方
「Ludwig van Beethoven」ってなんのこっちゃいと思ったかもしれませんが、年末のコンサートでよく聞かれる「第九」を作曲した「ベートベン(ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン)」のことです。
さて「ベートベン」は日本人から見れば、外国人の名前ですね。11月の質問箱&Columnを読んだ方ならご存知だと思いますが、「外来語の表記」には大きく2種類あります。
一つは、「ベートベン」というように、一般的な仮名を使った書き方。もう一つは原音に近づけた「ベートヴェン」という書き方がありますが、ここで「あれ?」と思った方いらっしゃいませんか?
――「ベートヴェン」だったら、「ヴェートーヴェン」でもいいんじゃないの?
って。鋭い指摘です。確かにその通り。そう書いたっていいじゃないかと思います。しかし、「Beethoven」のことが書かれている音楽関係の書籍を読んでも、新聞を見ても「ヴェートーヴェン」とは書かれていません。一体、何故?
その答えは、「Beethoven」の綴りにあります。よーく見てください。
最初の「ベ」に当てはまるアルヴァベットは「Bee」ですね。『エースクラウン英和辞典 第三版』で発音記号を見てみると「bé」と書いてあります。これは「ヴェ」というよりも「ベ」に近い音なので、「ベ」と書き表さなくてはいけないのです。
「ヴァイオリン」のように、元々の原音が「ヴァ」などのヴァ行音で表せるものは、バ行音(バイオリン)と書き表すことはできますが、元々バ行音のもの、つまり今回のような「ベートヴェン(béitouvən)」は、「ベートベン」と書き表せても「ヴェートーヴェン」とは書けないということなのです。
外来語の表記は何となーく知っていると思いますが、よくよく見てみると色々な規則があって面白いですね。
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