Column2 「眠気まなこ」?

「眠気まなこ」という言葉、聞いたことあるでしょうか。


 ——眠気まなこで勉強をする。


 漢字の組み合わせからも分かるように「いかにも眠そうな目で勉強をするという」風に読めるかと思いますが、実は「眠気まなこ」という言葉は本来存在しません。辞書も数冊確認しましたが、やはり載っていませんでした。


 どうやら「寝ぼけまなこ」を誤って「眠気まなこ」と使い始めたものが広まってしまったようですが、そのうちに「寝ぼけまなこ」の意味も「いかにも眠そうな目」として使われるようになっているようです。

 しかし「寝ぼけまなこ」の本来の意味は、「寝ぼけた目つき」なのですが、どうしてこのように意味が異なるようになってしまったのでしょう。


 これは私の勝手な想像なのですが、「寝ぼけまなこ」と使っている間は、「寝ぼける」=「目が覚めてもまだ頭がぼんやりしている(『旺文社 標準国語辞典 第八版』より)」に「まなこ(眼)」が付いた言葉だったので、元々の意味から外れることはなかったのだと思いますが、「眠気」+「まなこ(眼)」と誤って使うようになっていくうちに、「眠気」という言葉の意味に引っ張られて「眠くなっているような目」として広がっていったのではないかなと思います。


 どこでどう間違って使われたのかは謎ですが、日本語の間違いをまとめた書籍に出てくるくらいですから、案外知らないまま使っている方が多いのかもしれませんね。

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