11月

Column1 「十分」と「充分」の使い分け

 ――これだけあれば十分だ。

 ――これだけあれば充分だ。


「不足がなく、必要なだけあるようす」(『新明解国語辞典 第八版』より)という意味で使われる「じゅうぶん」には、「十分」と「充分」の二つの表記があります。


 小説の中でもどちらも使用されていますが、「充分」は「充足」などから類推から出たもので、「十分」と書くのが本来の書き方です。そのため、新聞や教科書では「十分」が使われています。


 しかし、「十分」は時間の「10分じゅっぷん」に捉われる可能性もあることから、紛らわしくならないように「充分」が使われることも。ちなみに、小説では「充分」を使った表記が根強く好まれているそうです。



*参考資料*

 北原保雄 編『問題な日本語 どこがおかしい? 何がおかしい?』(大修館書店 2004年12月10日)

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